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集英社新書
悪魔の発明と大衆操作―メディア全体主義の誕生

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  • サイズ 新書判/ページ数 235p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087201987
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C0222

内容説明

現代の大衆である我々と大衆文化は、二〇世紀前半、メディアの揺籃期に誕生した。ラジオ、テレビが出現した時期である。今日、それらは当たり前のように存在し、我々は一方的な情報の受け手として、なんの疑問もなくそれに接している。しかし初めてそれらが登場したとき、人々はとまどいながらも果敢に接していた。いったい我々は、メディア大衆としてどのように飼い慣らされていったのか。何が獲得され、何が失われたのか。今や第二の自然となった「ラジオ」と「テレビ」、個人情報問題の先駆けともいえる「パンチカード」、個人性を排した大衆管理の象徴である「火葬」の発明をめぐって考察していく。

目次

第1章 「テレビ」料理番組と遠隔誘導ミサイル―テレビ大衆文化の落とし穴(探偵はテレビ電話がお好き;軍国少年はモニターに見入る ほか)
第2章 「パンチカード」個人情報は悪魔の囁き―高速情報処理と人間中心主義の崩壊(『地球最後の日』;科学時代にも迷信はある ほか)
第3章 「火葬炉」機械仕掛けの埋葬―個人が個人として死ねなくなる日(ゲーテの傑作小説『親和力』;技術官僚の生真面目 ほか)
第4章 「ラジオ」バベルの電波塔あるいはガレージキット―ラジオ愛好家と現代的リスナーの誕生(ラジオ教則本、大ヒット;積極派と消極派 ほか)
第5章 「ラジオ定時放送」フォルクス受信機VE301型―電波の一方通行は情報ゲリラを制圧する(『断腸亭日乗』の憂鬱;昭和一〇年のワースト番組 ほか)

著者等紹介

原克[ハラカツミ]
1954年長野県生まれ。立教大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士課程中退。早稲田大学教育学部教授。2001~02年、ベルリン・フンボルト大学客員教授。専門はドイツ文学、メディア論、都市論
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

concreteseijin

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悪魔たちの名簿2016/07/10

concreteseijin

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17歳の神様も手強かったが、5歳の神様はもっと手強い。2016/07/01

Ishida Satoshi

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読了。戦時中大衆操作を目的としたテレビ、ラジオの利用、ユダヤ人選別を行うために利用したパンチカードによる個人情報収集、個人性を排除するため広まった共同墓地、火葬技術の発明など、こうしたメディアの発明がいかに人々を管理し巧みに操作してきたかを述べてます。著者はドイツ研究をやっているので、とくにナチス時代のメディア利用よあり方を批判的に読み解きます。本書の中でちらほら触れられていますが、もう少しドイツと同盟国であった日本に及ぼした影響などに触れてあると読み応え十分だったと思います。いずれにしても、大衆メディア

wkJohn

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テレビ、ラジオ、パンチカード(国勢調査)、火葬(墓地)といったメディア、文化の誕生が、いかにして個人を「one of them」の大衆に仕立て上げてきたかを描く。ここでの大衆とは、個人性を排除され、一方的な情報の受け手に甘んじている存在だが、本書が発行されてから現在までの間、SNSの普及等による趨勢の変化も現れ始めた。それらを踏まえることで、また違った読み方も出来るかも。テレビ、ラジオ黎明期のマニアックな小ネタも多く、雑学本としても楽しめる。 2012/11/18

かず

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メディアの歴史を紐解くと、そこには必ずイデオロギーが潜んでいる。ハードとソフトの二項対立的区分は不可能。2012/01/07

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