内容説明
文章を書く機会が増えている。大学の入試だけでなく入社試験でも、小論文を書かねばならない。そのうえ、自己推薦書や志望理由書、会社に提出する報告書や企画書、eメールやホームページでディスプレイ上に書く文章…。あなたは「文は人なり」と思って、そのような文章を書いていないか。そして、そのために大損をしていないか。本書は「文は人なり」ではなく、「文章とは自己演出だ」という考えにもとづき、現代人の生活全般で必要とされる“文章”の書き方を明快に解説する。自分を演出する文章を組み立てるうちに論理的思考が身につき、未知な自分にも出会える!ホンモノの文章力も手に入るはずだ。
目次
第1章 「文は人なり」にもの申す
第2章 小論文・レポート・投書―意見文の書き方
第3章 自己推薦書・志望理由書の書き方
第4章 作文・エッセイの書き方
第5章 手紙・eメールの書き方
第6章 文章は現代を救う
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
268
学生時代から論文とか書く時に重用した1冊。著者の講演を聴講したが、中々面白かった。2016/06/18
Miyoshi Hirotaka
46
SNSが一般的になってからは、文章を書く機会が増え、読み手の数も層も多岐に亘るようになった。「文は人なり」を盲信して、自由気ままに書けばいいというものではなくなり、目的や手段に応じた最適な文章の型を身に付けることが必要になった。武道やスポーツに型や基本があるのと同じだ。英語教育を若年化するよりも、母国語で論理力、分析力を鍛え、教養を養うことが大事。それには、良書を読む習慣と文章を書く訓練が必要。マスコミが当てにならなくならなくなった今、あらゆる人が自分で考え、自分の意見を発表する力を養う時代になっている。2014/08/09
KAKAPO
34
樋口氏は、小論文の神様と呼ばれ、東進ハイスクールでも指導にあたっている。この本では、小論文・自己推薦書・作文・手紙などを課題に、文章力を解いている。しかし、この本の真骨頂は、終章「文章は現代を救う」に込められている。樋口氏は、書くことの意味を「国語力、論理力、分析力、教養を養い知的になること。自分のアイデンティティを拡大すること、自分の世界を作り上げること」と言う。現実よりも疑似体験のほうにリアリティを感じ、自分の生活・周囲を色あせたものとして感じている現代人に、文章を書くという自己表現の手段が必要だと…2015/10/06
としP
15
エッセーの書き方を備忘録までに。考えを説明したり説得したりするのではなく、読者にそれを発見してもらう必要がある。読者に参加してもらい、読者に作者の言おうとしていることを感じさせる必要がある。リアリティーを大事にすること。 《1.予告》きっかけや出来事を予告する役割。全体の5分の1程度。《2.エピソード》全体の3分の1程度。苦労話などを書くと良い。《3.テーマ》印象や考えをできるだけ鋭く深く書く。読者に感じ取らせる余地を残しておく。全体の3分の1程度。《4.まとめ》多少は余韻のある締めの言葉が欲しい。2019/11/22
Kentaro
13
欧米系の人の話すのを聞いて、彼らは実に論理的に話をする。例えば「それについて私はイエスである。その根拠は三つある。まず社会的なめんから考えると、、、」というように話を進める。論理的ではあるが、ある意味型にはめて論理を述べているにすぎない。小論文やレポートには4段落からなる型がある。Ⅰ、問題を提起する。課題文には◯◯と言っているが、それは正しいのかなど。Ⅱ、意見提示する。問題提起にたいしてイエスなのかノーなのかを述べる。Ⅲ、論点を展開させる。イエスやノーの論拠を述べるのである。そして、Ⅳ、結論を述べる。2018/10/24