集英社新書<br> 帝国ホテル・ライト館の謎―天才建築家と日本人たち

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集英社新書
帝国ホテル・ライト館の謎―天才建築家と日本人たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087200546
  • NDC分類 523.53
  • Cコード C0252

内容説明

1923年9月1日、帝国ホテル新館(フランク・ロイド・ライト設計)落成披露宴を関東大震災が襲った。ホテルは危うく火災を免れるが、そこには、立て役者であるはずの設計者ライトと、元支配人で設計依頼主の林愛作の姿はなかった。何故か。天才建築家とその生涯に於いて帝国ホテルの意味とは?ライト館に関わった日本人たちの運命は?数々の謎を追って日米を取材。20世紀日本の代表的な建築物を交差点として交わる、数奇な天才建築家の軌跡と、日本人たちの明治、大正、昭和。

目次

プロローグ
第1章 タリアセン
第2章 日本への憧れ
第3章 ニューヨーク
第4章 失われた時代
第5章 耐震神話
第6章 マッカーサーへの手紙
第7章 ライト館保存運動
エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

214
ライトが設計した帝国ホテル新館の落成披露宴の最中に関東大震災が襲った。建物はびくともせず、多くの被災者の避難所になった、と思っていたのだが、真実はちょっと違っていた。まさに「謎」が丁寧に解きほぐされていく快感が……。2020/12/19

ぶんこ

35
帝国ホテルの支配人が林愛作氏から犬丸氏に代わる間に、短期間だけ支配人を務めた山口氏を曽祖父に持つ著者。林氏のご遺族を訪ねるところから調べを重ね書かれた本なので、今まで読んできた帝国ホテルの話とは視点がかわって面白かったです。林愛作氏のご子息七郎氏が「彼はデザイナーであって、建築家ではない」という言い方をしていたそうです。私も同感。ホテル運営上、そして客室としての居住性には問題が多かったが、見た目が良かったということなのか?最初にホテルの設計図を描いた下田氏の盗作疑惑や、自伝での脚色等問題多いライトでした。2020/02/01

ムカルナス

9
帝国ホテルは下田菊太郎の耐震を考慮した左右対称形のホテル設計案にライトが独自のマヤ・インカ文明を彷彿させるモチーフ装飾を加えたという疑惑があるらしい。当時のライトはスキャンダルまみれの失意の日々であり日本のホテル設計に活路を求めた。そしてホテルが関東大震災でも倒壊しなかったという事実をライトは最大限アピールし世界的建築家へと登り詰めていく。盗作疑惑があったとしてもライト建築の価値が損なわれることはないがライトを含め建築家というものは自らの都合のいい人生や作品を取捨選択して世間に披露しているんだなと思った。2020/06/27

misui

7
帝国ホテル・ライト館に関わった人々の姿を追う。設計者ライトがかなりアクの強い人物だったようで、タリアセンの惨劇はライトの不倫が原因にあるのではないかという疑惑、帝国ホテル設計の盗作疑惑なんてものもある。ライトの印象も人によっては惚れ込んだり猛烈に嫌ったりと様々で、悲劇的な末路を辿って愛憎半ばする人もいる。辰野金吾を批判してライトについた弟子の遠藤新、帝国ホテルを建て直した高橋貞太郎の名前は覚えておきたい。あとやっぱり地震で被害を受けたし居住性は最悪だったらしい。2014/11/28

しんこい

6
丁度NHK美の壺でライトを見たが、アメリカの他は日本にしか作品がないとは。それに帝国ホテルやるまでは住宅設計が主だったともしらず。明治村で見たときも不思議な建物と思ったが、建築から移築まで実に特異なホテルで、雨漏りして40年しか持たずというのも意外。それでも名建築なんでしょう。2017/08/20

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