出版社内容情報
平安後宮お仕事ミステリー、混迷の最新刊!!
「長きに渡って主上にお仕えしたいのです。」
答えを出した伊子(かのこ)の取るべき道とは?
嵩那(たかふゆ)への恋心と帝への忠誠で揺れる伊子。
だが思いとは裏腹に伊子は宮廷での存在感を高めていく。
そんな中、新大納言の大姫が新たに入内した。
同じ頃若き女御の殿舎が荒らされ、さらに出産を間近に控えた藤壺女御・桐子(ひさこ)の下を夜な夜な訪れる亡き先々帝と思しき人影……。
果たして犯人は?
皇統の奪回を目論む入道の女宮の影がちらつく宮廷で、伊子の差配が光る!
いつの時代も些細なことが女を悩ませる――。
【目次】
第一話 どちらの重いにも偽りはない/第二話 むべ、時めくこそありけれ/第三話 この私がいるかぎり何者にも手出しはさせませぬ
内容説明
嵩那への恋心と帝への忠誠で揺れる伊子。だが思いとは裏腹に伊子は宮廷での存在感を高めていく。そんな中、新大納言の大姫が新たに入内した。同じ頃若き女御の殿舎が荒らされ、さらに出産を間近に控えた藤壺女御・桐子の下を夜な夜な訪れる亡き先々帝と思しき人影…。果たして犯人は？皇統の奪回を目論む入道の女宮の影がちらつく宮廷で、伊子の差配が光る！
著者等紹介
小田菜摘［オダナツミ］
沖原朋美名義で２００３年度ノベル大賞・読者大賞受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
84
平安の後宮が舞台のミステリー、第6弾。嵩那(たかふゆ)との恋、帝に尚侍として仕えること、ふたつの間で揺れつつ、宮中で起こる様々な出来事に立ち向かう伊(かの)子。仕事で成果を出して認められることの嬉しさ、分かるよ…。それだけに、ふたつとも欲しいなんて欲張りだと思う人がいたとしても、どっちも上手く行ってほしいと思うけど、なかなか複雑。そして、そういうなかでも入道の女宮の影もちらついて、なかなか面倒なことになってるなあ…。2021/05/22
のんちゃん
58
左大臣の大姫であり、今上の想い人であるが宮中に恋人のいる伊子の、尚侍として後宮をまとめる活躍を描く平安後宮お仕事ミステリー第6弾。今回も各事件で伊子の閃きが冴える。今シリーズは、古代平安の官職を含めた人間関係やその生活様式等が、複雑でなかなか想像し難い事柄もあり、現代ものよりずっと読みにくいはずだが、一度読み出すと止まらない面白さがある。今回は仕事をしながらの結婚という形の難しさの問題提起がされたが、次巻以降、現代にも通じるこの難問を伊子はこれをどう乗り切るのか、楽しみで仕方がない。2021/10/04
よっち
57
嵩那への恋心と帝への忠誠で揺れる伊子。彼女がその思いとは裏腹に宮廷での存在感を高めていく状況で、新大納言の大姫が新たに入内する第六弾。目録と一致しない唐物、新たに入内した新大納言の大姫、荒らされた若き女御の殿舎、出産を間近に控えた藤壺女御・桐子を脅かす亡き先々帝の影。騒動が続く中で複雑な思いになったりしながら、見事な采配を見せる伊子はようやく今後の方向性見えてきたのかなという感じでしたけど、新大納言の姉妹は聡いし、女御間の関係もどうなるか分からないし、女宮は相変わらず執念深いしでいろいろ難しいですねえ…。2021/05/26
るぴん
52
シリーズ6作目。妊活問題に結婚と仕事の両立。今回は今まで以上に現代の女性の悩みを投影してるように感じた。藤壺の女御・桐子の気の強さは結構好き。新たに入内した新大納言の大姫は美人な上に性格もいいし、その妹の玖珠子はさらに聡く、伊子の好敵手でもあり…。「恋も仕事もどちらも手に入れようなんて、ずるい」と思う気持ちもわかるけれど、伊子はそれだけの努力をしているから当然とも思う。サブタイトル通り強く癖の強い女達が多く、男達、特に嵩那の影が薄かった。伊子と嵩那が結婚後のビジョンを伝え合わないと、すれ違いになりそう。2021/05/09
kagetrasama-aoi（葵・橘）
46
「平安あや解き草紙」第六巻。『その、女人達、故あり』先ず、表紙絵が良いですね。孔雀が豪華絢爛‼️伊子が持つ扇が孔雀の羽根です。今更なんですが、パラレル平安朝が舞台で私の好みど真ん中、氷室冴子さまの「なんジャパ」を彷彿とさせられる展開。これは全くの私見なんですが、女性の名前の振仮名がウザい😭‼️例えば “式子内親王” は “しきし” と読むのが通例なんですから、 “伊子” を態々 “かのこ” と振るなんて！まあどうでもいい話ではあるんですが(苦笑)。閑話休題、伊子の恋の行方が気になります。2023/01/03
