内容説明
醜聞を報道されたケイは、自宅に戻れずにいた。その上、共演者たちはケイを励ましはするが、彼への疑惑で態度が硬くなっている。そんなケイのもとへ、激怒した祖父が現れる。全てを鵜呑みにした祖父は、物も言わずにいきなりケイを殴りつけて…!?―一方、電車に飛び込もうとしている新を見つけた響生と奥田は…。
著者等紹介
桑原水菜[クワバラミズナ]
9月23日千葉県生まれ。天秤座。O型。中央大学文学部史学科卒業。1989年下期コバルト読者大賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
12
捏造された醜聞、疑心暗鬼の共演者たち、無理解な大人に対しても自分の思いには誠実であり、耐え切れないことも糧にする役者の性は汚泥の中でも咲くからこそ、一層美しい。だからこそ、全力でぶつかる芝居を受け止めない輩は見る資格なんてない。愛おしいものを守る母性愛と全てを呑みこんでいく「女」に翻弄されるケイに対する連城の激怒が何だか愛おしくなってきたことに呆然としました(苦笑)自分にとって大切な人か同情もできるけど大切な人に許せない行いをした人かというと前者を選び、後者には容赦はこれっぽっちもしないワタルに共感します2012/06/15
tomino
4
きゃあああああああヒビキぃぃぃぃ。稽古の緊迫感とか、気になるスキャンダルの行方とか、舞台本番の盛り上がりとか全部ふっとぶラストおおおお。続きはきになるけど、出版順どおりに、次は番外編「ファイアフライ」をよむぅ。・゚・(ノД`)・゚・。2017/11/25
たろさ
2
ケイの醜聞騒動。榛原が本当に超人すぎて、夢中になるもの、引き摺られるもの、、、連城が愛しながらも絶望していくのが痛ましい。ケイとの距離感も難しくて、ケイも混乱気味。それにしても、連城は佐々木といい、新渡戸といい、榛原に叩きのめされた人を引き上げる巡り合わせになっている。シェークスピアの「マクベス」ちゃんと読んだことがないので、読んでみたくなる。舞台、演劇、小説と、表現方法の異なるものを生み出していく描写がリアル。2018/11/07
ロェント
2
再読。2016/03/20
momo
1
自身の中のオーギュストに押し潰され瀕死だった新が、オーギュストを演じることをきっかけに生き返ったシーンも印象的だったけれど、個人的にはそれより奥田のクラウデスが衝撃だった…!連城もう奥田でいいじゃないの…奥田の何が駄目なんだ… ケイと連城は相変わらずちょっと心通わせたような気がしたと思ったら、またすぐに大体榛原絡みで拗れるので榛原さんは本当に罪な男ですね。そしてラスト、「おまえの舞台を早く観たいよ」はまさかこの展開の伏線か!?どんだけ早く観たいんだよ!だから連城あなたはちょっと落ち着きなさいとあれほど……2014/01/30