内容説明
“トモが浮気してる!”―最愛の夫・頼朝をこっそり尾行した政子の前に現れたのは、ぴっちぴちの若いムスメ。激怒した政子は問答無用と呪詛を仕掛けるが、いともあっけなく跳ね返されてしまう。呆然とする政子に不敵な微笑みを向けた美少女の正体は、八幡神から遣わされた修行中の摩多羅神。政子は、彼女に『テン』という名を与えるが…!?特別書き下ろしの『ゆめのまにまに』も収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小瑠璃
10
かっこいい義経が読みたくて、10年以上ぶりの再読。そうか、自分の中の「源義経」像は、この作品が原点だったんだわ。というかそもそも、歴史にはまったきっかけは、このシリーズの影響が大きかったんだわと思い出しました。教科書、大河ドラマ、ゲームに歴史小説にと、義経像は多々あれど、こと頼朝との関係に関して、たとえファンタジーだとしても、この作品が一番好きです。ライトノベル感たっぷりの、テンのおちゃらけたせりふ回しは、かつて愛読していた10代のころほどすんなり読めないけど、今でも楽しい一冊でした。2016/06/19
梅みかん
9
鎌倉編。一途に想っててもすれ違ったり、時代に翻弄されたり全てがハッピーエンドではいられない。それでも一途に想いを貫いてる頼朝や義経、弁慶の男性陣に政子や静、巴、大姫。 カイがいないから、ちょっとさみしい。2017/08/24
咲穗
8
時は鎌倉。 鎌倉殿、と呼ばれる頼朝のもとへ、八幡神の巫女を名乗る少女が現れ… サイドストーリー的に語られる大姫と義高の物語が切ない… そしてこの話を読んでるから、頼朝好きなんだよなぁ…2021/08/11
ゆきこ
7
「姫神さま」第6巻目を再読。将門編に続くテンの過去のお話。鎌倉編です。頼朝と九郎のすれ違う兄弟愛がせつない。巻末に収録されている、政子と大姫の短編もとてもせつない。「血の因縁」とか、話がややこしくなってきた!2015/06/16
サラ
5
第6巻。鎌倉編。後々になってからこの鎌倉編がそれなりにでかい存在感で本編にからむ日が来ようとは、最初に読んだときの私は予想だにしていなかった。この鎌倉編、イイ女がたくさん出てきますね。政子、静、巴、そして大姫。対して男性陣はというと、トモも九郎も義高くんも、大事な女を泣かせてばかりのしょうもない人たちです。しかし、不器用な男どもの、彼らなりの精一杯の愛情にきゅっと胸が苦しくなる。そんな彼ら彼女らを見つめていたテンの苦しさはいかばかりか。義高×大姫が大好きです。姫神ワールドにおいても、史実においても。2014/01/26