内容説明
虹の谷の“楽園”に奇妙な荷物が送られてきた。それも着払いで…。寝椅子をまるごと梱包したようなそれは、棺桶のようだ。添えられた手紙はエイザード宛なのでどうせ誰かの嫌がらせだろうと呑気な弟子たち。ところが真夜中棺桶が中から開かれた。勢いよく開けたため、重し代わりに載せてあった壷が割れ酢キャベツまみれになったその男こそデヴァイン・フロウ―悩める吸血鬼であった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュエパイ
10
吸血鬼のような、もっと違うなにかのような、不思議なヘタレ生物とのお話でした。吸血鬼(仮)も、ハンター(仮)も、最初はムッとしてたのに、読んでくうちに徐々に絆されてく私がおりましたよ。すごいな作者様。。。あと、マリアさん、なんであからさまに怪しげな物体を、しかも着払いで受け付けちゃうんだ(笑)いいぞもっとやれ(笑)あの、開かずの部屋のモノリスは、いつか、詳しく語られる回もくるのかなー??2017/02/22
まりもん
6
暗示にかかりやすい吸血鬼の為に皆が得意分野で頑張っているのが楽しかった2011/06/20
みかづき
4
着払いがこんなに耳に痛い言葉になるなんて…。デヴァインさん、ほんとヘタレで駄目で着払いですが、冒頭の三十秒シーンの気合いの入りようが別人のようで笑えてしまいます。あかずの間が出てきて、エイザードのことがまた垣間見えた巻。ナハトールの「命日でもいいと思った」に、そういういい男だから結婚できないんだと見当違いの怒りと喜びがわきました。それにしてもエイザード、産みの苦しみを味わった男性キャラなんて本当に稀ですよ~。2012/06/06
めぐみこ
3
【再読】この巻のみどころはゲストキャラよりエイザードのアレコレだと信じて疑わない。寝室危機一髪とか灰色トカゲ麺とか寝ぼけ台詞とか。親バカぷりもさらに炸裂。嫁にだしたくない、って…既に人妻いるんですけど(笑)。デヴァインvsオーガスタスは結末わかってるのに手に汗にぎってしまう。2010/06/29
はるかかなた
2
世界には苦しいこと、悲しいこと、悲惨なことがゴロゴロ転がってて、ダンゴムシみたいに丸まって泣き続けたくなる日だってある。でもこのシリーズを読むといつも『大丈夫、お前さんはちゃんと笑えるんだよ』って、励まされてる気になる。生きるに値する、素敵に楽しいことが、面白い日々が、ちゃーんと待っててくれる気がするのです。大丈夫。きっとデヴァインは幸せになれる。だって楽園の魔女たちが依頼を受けたのだから。2014/02/14