内容説明
王国カナルサリの人々は、生涯にただ一度神託を授かり、それを護符として生きる。しかし、国を担う王だけは人生で二度、神託を授けられた。―女王となったカリュンは、戴冠式の日ふたつの神託を授かる。それは、“和を持って統治する”と、“血によって支配する”というものであり、彼女に二通りの未来を示した。そして、カリュンの運命の車輪は、ある青年との出逢いによって廻り始める…。
著者等紹介
金蓮花[キンレンカ]
3月20日、東京生まれ東京育ちの在日朝鮮人三世。朝鮮大学師範教育学部美術科卒業。1994年5月『銀葉亭茶話』で第23回コバルト・ノベル大賞受賞
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感想・レビュー
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らじこ
21
二つの未来と美しい女王の恋。カリュンの歩む道がそのまま国の歩む道となる。やわらかく華やかな筆致で描かれる背景。浮き彫りにされる心理描写でぐいぐいと読まされる。面白い。幼い頃から父王に愛されず孤独を抱いてきたカリュンが、陽気で温かな人柄のシリスに惹かれていく気持ちもわかるけれど。気持ちを押し殺し、時が満ちて自分を求めてくれるようになることを待っていたレンソールの気持ちが胸に痛い。シリスの国は良く行けば女王を亡き者にでき、失敗しても戦を仕掛ける口実となると考えたのだろうか。とても気になる終わりに続きが欲しい。2016/10/30
まりい
7
父王に愛されず孤独を抱えているカリュン。強くて美しくて完璧な女王のように見えるけれど、少女らしい一面も持ち合わせているところが可愛らしいです。だからこそ、彼女の恋の結末には胸が苦しくなりました。レンソールの一途な想いも切ないです。ハッピーエンドになることを祈りながら、続きも読みたいと思います。2014/02/02
Natsumi
6
図書館
はる
5
絶版みたいなので、BOOKOFFオンラインでやっと手に入れた作品!やばい、面白い!あらすじ読んだときは主人公はキツイ女の子を想像してたのに、とても可愛らしい子だった。それにしても、後半の展開がつらい!2014/02/01
みとん
4
はじめて読んだのは中学生くらいかな?金蓮花さんの作品が大好きになったんだけど、あんまり書店に置いてなかったから、結局『銀朱の花』と『砂漠の花』のシリーズくらいしか全巻揃ったのはない(泣)数年に1度読みたくなるので、絶対に手放せない作品です。カリュンの強さは中学生のときと変わらず、憧れです。レンソールがカッコいいのに嫉妬深くて、大丈夫か?と思ってしまったけど、当時はけっこう好きだったなー。最後に読んでから5年以上経過しているので、大部分忘れてしまってるー。カリュンとレンソールの成長が楽しみです。2015/06/28