内容説明
西の空から飛んできた火の玉は安土城を直撃し、伊勢湾に広がった衝撃波はすべてを呑みこんだ!?目が覚めた直江の前に広がるのは廃墟と化した街…。高耶たちの姿は見えず、身体のなかに信長の気配を感じることもない。闇戦国は消えてしまったのか、「あのひと…は」?呆然と座りこむ直江の前に一人の男が現れ、告げた。ここは「神殿」、かつて「イセ」と呼ばれた「闇戦国」の遺構なのだと。
著者等紹介
桑原水菜[クワバラミズナ]
9月23日千葉県生まれ。中央大学文学部史学科卒業。1989年下期コバルト読者大賞を受賞
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
10
共に歩めなかったと慟哭する直江と高耶さんの自分のために全てを捨てた直江といられないことへの恐れに潰されそうでした。中川さんの魂が亡くなっただけでも泣きそうだったのに憑坐の人が同じく、中川さんのことを尋ねた時は涙が溢れました。甦った理由でもあった主君である豊臣家ではなく、赤鯨衆の友の一人として真田行村と戦おうとした清正の断腸の思いでの決断が突き刺さります。敵味方を超えて2012/03/17
きな粉
6
これで37巻…残り3冊。もうすぐこの長い物語が終わるのだと思うと、誰よりも直江の一挙手一投足にハラハラして、その狂気にヒリヒリします。桑原さん、凄い。2016/01/30
たろさ
5
ミラステ後の再読。何度読んでも、冒頭部分の直江は切ない。直江を求める高耶の心。お前だけ先に降りるなんて許さない。同行ふたりの道のはずだ。おまえだけリタイアなんて、オレは認めない。おまえがいなくてはこの道は意味はない。直江ーー!譲の「直江直江直江って…お前の口から出てくるのは、その言葉ばかりだ」本当に、直江が邪魔なんだね。弥勒の時空縫合。高坂に借りができた。イセでの体験がまた、直江に迷いをもたらす。高耶と一緒に破魂されることを願ってしまう。2018/10/15
たろさ
5
崇徳院によって、動塞安土城崩壊後。何で何でと思っていたら!やってくれました!譲=弥勒!そこまで高耶が好きか。直江が邪魔なのか。読めない男、高坂によって繋がれた細い糸。二人の絆はそう簡単に途切れない…と安心したのもつかの間。直江の向かっている方向は正解なのか。続々と内宮へ集まってくる生残者たち。亡き中川の言葉が心に沁みる。明智光秀が織田信長を封じたのも一瞬、また捕らえられてしまった高耶。そして、直江の返答は? 2018/06/28
りつか
4
弥勒さんどういう能力の持ち主なの…。ていうかなんでそこまで景虎に執着してるの…。全体的にハラハラしつつ読んでいたのだけど,現代人側(というか警察庁側)も景虎たちとは別の形で真相に迫りつつあるのかな。あともう少しで完結巻なので今週はもうこれ以外読まなくていいかなみたいな心境になりつつある。【tkb】2012/12/18
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- 和書
- 江戸忍法帖 角川文庫