薔薇刑 - 細江英公写真集 (新版)

薔薇刑 - 細江英公写真集 (新版)

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  • サイズ B4判/ページ数 1冊(頁/高さ 37cm
  • 商品コード 9784085320192
  • NDC分類 748

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まさむ♪ね

49
裸にゴムホースをぐるぐる巻きに巻きつけたへんてこりんな男が木槌を振り上げこちらを鋭く睨めつけている。かと思えば、その逞しい腕で大きな時計を抱え小さなボールを小粋に指で挟み子供用玩具椅子の上に立つどこまでもアンバランスな下半身タイツ姿のこの男。気をつけろ、少しでも隙をみせるとこの魔界の住人に躰も心もあっという間に連れ去られてしまうぞ。神聖を穢し冒涜することで自らの肉体を芸術にまで高め、抑えつけられた精神を開放せしめた稀代の作家に課された刑は、高貴なる花の香りと匂い立つ生々しい男の体臭にまみれた究極の薔薇刑。2016/08/13

booklight

24
落合陽一に「三島由紀夫を理解するのに役立つ」薦められて。細江英公の写真を見て、ぜひ自分を題材に写真を撮ってほしい、という三島の願いからスタート。庭にあったホースを半裸の三島にぐるぐると巻き付けて、なぜこんなことをするんだと聞かれ「偶像破壊です」と答える細江。「細江氏のカメラの前では、私は自分の精神や心理を少しも必要とされていないことを知った。それは心の躍るような経験であり、私がいつも待ち焦がれていた状況であった」という三島。小説や評論などとは全然別の部分を求められて、至極ご満悦。性+αという古典芸術分野。2023/08/26

つちっち

10
これが本當の三島由紀夫。 序文を三島が、写真について、また細江英公の写真について語り。あとがきを細江英公が三島との経緯について語っている。 序文から写真とクラクラと目眩をおこしそう。あとがきで無事、現実に戻ってこれました。2023/10/18

KentaroGNH

3
とにかく凄すぎる!三島の死の2年あまり前に撮影され、三島と細江英公の芸術家同志がぶつかり合ってできた作品。自身の性的嗜好にコンプレックスを持っていた三島が自分をさらけ出し、撮影中は終始楽しそうだったという。豪華本の装丁は横尾忠則で三島は完成を待たずに死ぬ。

くらげかも

2
三島による華麗な序文を、「帝王紫」だとか「血の赤」を背景にして読ませる面白さ。「對象の持つ種々な意味を剝脫して、無意味な配列の内へ投げ込󠄃み、この無意味の相互の反映が、一定の光りと影との秩序を回復すること。そこではじめて言葉や音のやうな、作品の構成要素の抽象性が獲得されるが、そのためには、前提要件として、對象がまづ剝脫されるべき意味を持つてゐなければならぬ。」→2024/05/02

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