御乱心―落語協会分裂と、円生とその弟子たち

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御乱心―落語協会分裂と、円生とその弟子たち

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  • サイズ B6判/ページ数 267p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784079239288
  • NDC分類 779.13

内容説明

昭和53年に落語協会分裂騒動が起こり、新聞、マスコミは大々的にこの事件を報道し、あれから8年たった。あの当時の事件の当事者達もかなり亡くなり、人々はあの事件をすっかり忘れてしまった…。ぜひ書かねばなるまいと思っていた。いや、あの事実を語らずに貝のように口を閉ざして死にたくないという執念のような気持だ。これは俺から見た協会分裂の百パーセントの真実なのだ。

目次

円丈真打披露
円楽の祝儀
円生登場
伝家の宝刀
深夜の長電話
悲劇の一門へ
円楽の逆襲
新協会設立
円生、小さん トップ会談
三遊協会・記者会見
席亭会議の波紋
“幹部”の魅力
恩知らず!
一門孤立
新たな亀裂
「寄席」に出たい
円生倒れる
通夜の独演
元弟子弔問
協会預かり
それから
落語協会系統図
ドキュメント落語協会分裂から三遊協会設立の軌跡

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

37
最近文庫化され、癒えた古傷を抉る、もとい、落語界の温故知新。昭和61年の初版を読了。現在東京落語団体は4つあり、そのひとつ「円楽一門会」の前身にあたる三遊協会が最大会派「落語協会」から分裂した顛末。昭和の名人と謳われた三遊亭円生のクーデターともいえるこの事件を、弟子であった円丈師が活写する。ことの真偽はともかく、とにかく面白い。当時の落語界の背景を知らない現代の読者でも十分楽しめるし、事実として流布しそうなほど、新作落語の代名詞たりえた円丈師匠の面目躍如。ルサンチマンは人を変える。符丁的に言えば、化ける。2018/04/10

TakaUP48

25
現在の東京・江戸落語界は、「落語協会」310人、「落語芸術協会」166人、協会から脱退した立川談志が作った「落語立川流」57人、同じく脱退した五代目三遊亭圓楽が作った「五代目圓楽一門会」37人の4つ。毎日落語をやっている東京の定席寄席は4軒。「上野鈴本演芸場」は、落語協会所属の落語家のみ出演。「新宿末廣亭」「浅草演芸ホール」「池袋演芸場」で、一ヶ月を10日ずつ分けて上席・中席・下席とし、1日は昼と夜の部に分かれ、席ごとに落語協会と落語芸術協会が交替で出演する。2023/03/10

TakaUP48

21
「もう決めた、あたしゃ、伝家の宝刀を抜く!」昭和53年(1978)、名人円生は、小さん率いる落語協会の真打ち量産体制に異を唱え、常任理事円歌・金馬・柳朝が協会をかき回しているとして一門を率いて協会を脱会。この騒動に落語界は大揺れ、円生の弟子たちは翻弄された。忖度なく実名で書き綴った本書は、世間を騒がせ関係者を困惑激怒させたという。落語口調?で真に迫る言動が綴られていて、面白い。騒動に出てくる談志、亭志ん朝、先代円楽、さらに筆者の円丈も鬼籍に入っている。あの世での協会は「お後はよろしいようで」となってるん?2013/10/06

kera1019

14
以前読んだ時、5代目圓楽師匠の事をボロカスに書いてあって、かなり驚衝撃を受けました。正直、円丈師匠の一方的な言い分やんって部分も大きかったんですが、談志師匠が「(落語協会分裂騒動は)だいたい書いてある通りだよ」って「御乱心」の事を言うてるのを読んで再読。改めて円丈師匠の5代目圓楽師匠に対する拒否反応の凄さを痛感しました。2014/01/30

ワッツ

14
圓丈の執念が伝わってきて、面白くてすぐ読んだ。 ただ、三遊亭を残していきたいってのが結論だと思うが、他はどうなっても良いというような部分もあるし、三遊亭ってのも大事だが、一番大事なのは落語を残していくことではないのか。一寸視野が狭いような気がするが、近著のろんだいえんを読んでいると、圓丈は完全な新作落語家だから、古典なんて消えてなくなって良いと思っている節があるので、案外矛盾だとか視野が狭いと思うのは、間違いのような気もする。 また近い内読みなおしてみたい。2013/01/14

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