出版社内容情報
指先をほんの少し動かしただけで、瞬時にして人を傷つけ、ときにはその激しい言葉が人の命まで奪ってしまうネット上の誹謗中傷。テクノロジーが発達した現代の新たな問題にとりくんだのは、全国でもトップの東大進学率を誇る開成中学の神田邦彦教諭(国語担当)だった。神田先生の特別授業を追った白熱の記録が、一冊にまとまった!
ネット上の誹謗中傷はなぜ起こるのか?
どうしたらなくせるのか?
現代社会に忽然と姿を現し、いまだ解決の糸口さえつかめていないこの大きな課題に対して、開成中学の生徒たちは、神田先生とともに真剣に考え、議論を戦わせた――。
その迫真の授業を再現するとともに、新聞記者である著者と、授業に参加した生徒たちとの対話、授業をふまえて生徒たちがまとめたレポートもあわせて掲載し、この問題へのさまざまなアプローチを紹介していく。
巻末には、リアリティ番組『テラスハウス』に出演した際の言動がネット上で批判の的となり、自ら命を絶ったプロレスラー・木村花さんの母・響子さんが千葉県の小学校で行った特別授業の全容も掲載する。
内容説明
私立開成中学校の国語の授業で取り上げられたテーマは「ネットの誹謗中傷」。殺人事件に関与したというネット上のデマに苦しめられた体験を綴った、スマイリーキクチ氏の『突然、僕は殺人犯にされた』を課題図書に、思考をめぐらせ、考えをまとめていく生徒たち。言葉の暴力による「加賀者」にならないための、全六回にわたる授業を完全再現した―。
目次
序章(私に何ができるのだろうか;「取材させてください」)
1章 教室の片隅より(一時間目の朝;『突然、僕は殺人犯にされた』 ほか)
2章 放課後の教室で―生徒たちとの対話(起き続ける被害の恐怖;誹謗中傷 止める方法はないの? ほか)
3章 「ネット上の誹謗中傷について論ぜよ」―生徒たちの考察から(キーワード1「匿名」と「集団」;キーワード2「承認欲求」;キーワード3「厳罰化」;キーワード4「教育」)
4章 木村花さんの母・響子さんの授業(花さんの「炎上」;「このツイートは表示できません」 ほか)
著者等紹介
宇多川はるか[ウダガワハルカ]
1984年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。2007年、毎日新聞社入社。仙台、横浜支局、デジタル報道センターなどを経て、23年5月よりくらし科学環境部。主に子ども・福祉・ジェンダーの分野を継続取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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