出版社内容情報
アナーキーな神々と英雄たちが繰り広げる、〈世界の始まり〉の物語。
前代未聞のおもしろさ!!日本神話が画期的な口語訳で生まれ変わる!町田康の新たな代表作。
「汝(われ)、行って、玉取ってきたれや」「ほな、行ってきますわ」
イザナキとイザナミによる「国生み」と黄泉国行、日の神アマテラスの「天の岩屋」ひきこもりと追放された乱暴者スサノオのヤマタノオロチ退治、何度も殺されては甦ったオオクニヌシの国作り、父に疎まれた英雄ヤマトタケルの冒険と死、帝位をめぐる争い、女たちの決断、滅びゆく者たち――。
奔放なる愛と野望、裏切りと謀略にみちた日本最古のドラマが、破天荒な超絶文体で現代に降臨する!
内容説明
前代未聞のおもしろさ。日本神話が画期的な口語訳で生まれ変わる。
目次
神xyの物語
スサノオノミコト
大国主神
天之忍穂耳命と邇邇芸命
日本統一
垂仁天皇の治世
日本武尊
応神天皇
仁徳天皇
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
1962年大阪府生まれ。1997年『くっすん大黒』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞、2000年「きれぎれ」で芥川賞、2001年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、2005年『告白』で谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
269
町田 康は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。国造りの神々や伝説の天皇たちを著者が描くと、関西の半グレ集団のようです(笑) 本書を古文のテキストに採用すれば、古文好きの学生が増殖するのではないでしょうか❓ https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=00003750502023/05/16
ショースケ
155
楽しい、楽しい❣️町田康にかかると古事記ってこんなに面白いんや!学生時代から古代史が好きで古事記は読んでたけどこんなの初めて!ベタな関西弁を話す神様とスメラミコト(天皇)。ちょっと柄の悪い喋り方の神さんがいっぱい出てきて笑った笑った。古事記って内容は凄まじいんですよねー。でも漫画を読んでるような気分でスルスル読めます。関西圏以外の人もきっと楽しめます!興味のある方はぜひ町田康の古事記の世界堪能してください!2023/08/24
アキ
115
以前読んだ「ぼおるぺん古事記」と並行して読んでみた。口訳で読みやすい会話文とマンガで理解が進む。元の文章はすべて漢字のみで表記されており、本書の大阪弁の語りはテンポも威勢も良いが、なにしろ神々の名前がたくさん出てくるし、同じ神でも呼び名が違ったりしてややこしい。以前奈良の垂仁天皇陵の近くに住んでいたので「垂仁天皇の治世」はとても興味深く読んだ。因幡の白うさぎや八岐の大蛇から草薙芸剣、海幸彦と山幸彦、猿田毘古が伊勢に祀られたエピソードなど馴染みのある有名な話を楽しめた。日本武尊、応神天皇、仁徳天皇で終える。2023/07/09
33 kouch
108
過去何度か古事記には触れているが、いつも「日本の潜在意識は何が言いたいのだろう…」という不思議な気持ちになる。国生み、天孫降臨、天の岩屋、因幡の白兎、スサノヲ、大国主、日本武尊…どの話も突っ込みどころ満載。ただ似たような物語が他の世界にもあったりするので、やっぱり何か伝えたいのだろうと思う。今回の口訳は関西弁で軽快に神の言葉が語られるため、話のニュアンスが伝わりやすくて良かった。神のわりに…感情的で少し品位にかけるなという部分がもっと生々しくなっていて面白かった。今後も古事記を深めてゆきたい。2024/03/02
ぶち
97
「マジすか」とついつぶやいてしまいそうなアナーキーさ。問うても、「マジす。アー、コリャコリャ」と返されるだけだと思いますが。日本の国を造った神様たちは美女にメロメロになるし、敵になりそうな神様をすぐに殺そうとするし。そして、地上の国が栄えてくると、天から降りてきて国を譲れと迫ってくるし。ほんとうに生き永らえることと子孫繁栄という本能にしたがっているんですね。まさに秩序も政府も無いアナーキー状態。神社紹介の本のコラム程度にしか知らなかった国造りや神様の理解が深まったかな?? 少なくともサイコーに面白かった!2023/08/13