出版社内容情報
高田 崇史[タカダ タカフミ]
著・文・その他
内容説明
平治の乱の後、敗れた源義朝の嫡男・頼朝は六波羅に軟禁され、斬罪を待つ身だったが、平清盛の義母・池禅尼が、頼朝の助命を嘆願する。後に必ず憂いとなる源氏の棟梁の命を清盛はなぜ救ったのか。平氏滅亡後、非業の死を遂げた源義経は怨霊になったのか。二つの謎が解けるとき、源氏と平氏の真の姿が現れる!
著者等紹介
高田崇史[タカダタカフミ]
昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒業。『QED 百人一首の呪』で、第9回メフィスト賞を受賞し、デビュー。歴史ミステリを精力的に書きつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るぴん
35
高田崇史さんの歴史ミステリーは好きで読んでいるけれど、現代の殺人事件とリンクしないのは初めて。この小余綾俊輔シリーズは歴史の謎だけで進むシリーズなのかな?そうだとしたら嬉しい。池禅尼による頼朝の助命嘆願、義経の鵯越えの検証、非業の死を遂げたのに義経は何故怨霊になっていないのか…源平にまつわる謎は多く、現地を訪れたり史料を読んで一つ一つ解き明かしていくのは本当に面白い。言われてみれば平氏は結束力が強かったけれど、源氏は骨肉の争いばかり。最終的にたどり着いた真実には納得。その後の歴史を見れば明らかだわ。2022/01/27
hnzwd
19
平治の乱で負けた源頼朝はなぜ許されたのか。源平の乱の後、なぜ義経は頼朝に討たれたのか。鎌倉幕府から応仁の乱までの激動の時代。すべてが一つに繋がるかのようないつもの高田節ですが、信じさせるパワーがあるよなー。2022/05/26
LUNE MER
18
読む順序としては「鎌倉の闇」、「木曾殿最期」、本書、「源氏の神霊」がベストかと。特に「木曾殿最期」と本書は補完関係にあるというか「●●の謎については彼の方が詳しい」という感じで互いにステマしているし笑笑。さて、殺人事件は起こらずにドップリと源平の歴史に浸れる本書は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」とリンクさせながら読むのがタイムリーかつ興味深いかも。この後あの人があの人と!みたいな。下手するとショック受けちゃうかも知れないけど。2022/02/10
igaiga
17
この本そのものは再読なんだけれど、今村さんの「茜唄」を読んでから妙に源平物を読みたくて再読。現実の殺人事件がない分、謎に集中しているので面白い。もっともっと平家について書いているのを読みたいなぁ。安徳天皇・・・なるほど。そういうことか・・・そっちもまた読んでみたい。2023/04/30
LUNE MER
17
復習のために再読。今回の大河、義経や義仲のキャラ造形を従来のイメージからひっくり返すことで奇抜な演出を狙っているという意見も目にするのだが、三谷幸喜は奇抜ありきという意図で書いてなくて、素直に近年の研究成果として見えてきた従来とは異なる人物像も織り込んでいるだけじゃないかと思う。実際、これらの高田崇史作品を読んでいたら既に知っているイメージだもの。大河の今後の展開もネタバレになってしまうくらい詳しく書いてあるので、予習したいという方にもお薦め。2022/04/15