講談社学術文庫<br> 新視覚新論

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講談社学術文庫
新視覚新論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 376p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065249444
  • NDC分類 141.21
  • Cコード C0110

出版社内容情報

「外なる世界と内なる心、という分別は誤りだと思う」

見たり聞いたりする知覚の風景が自分の「心の中」にある心象風景だと感じる人はまずいないだろう。しかし、痛みや気分、悲喜の感情、思い出や希望、空想や妄想、そして意志といわれるもの、これらはまぎれもなく自分の「心の中」のものだ、と人は感じている。

しかしそれは、人が抱く根本的な事実誤認ではないか? 

世界そのものが悲しく喜ばしく恐ろしく、回想や希望も現在も、常にひとしく四次元の全宇宙世界の立ち現われなのである。

このことを、光学虚像や幻覚・幻像、時間と空間、幾何学、芸術、自由と意志などさまざまな角度からていねいに論じる。陥りがちな誤解をほぐしながら、日常と科学を重ねながら、「世界の一項目としての私」を「世界のあり方としての私」に組み変える。

世界そのものが、悲しく喜ばしく恐ろしい。
こうして「私」は抹殺され、私が復元されたのである。

解説: 野家啓一


本書の原本は『新視覚新論』(東京大学出版会、1982年)です。


【目次】
1 見ることと触れること
2 見えている
3 何が見えるのか
4 「表象」の空転
5 鏡像論
6 過去透視と脳透視
7 空間の時間性
8 自由と「重ね描き」
9 言い現わし、立ち現われ
10 心

内容説明

見て聞いたものは「外」にあり、思い出や感情は自分の「心の中」のもの―それは人が抱く根本的な事実誤認ではないか?「外なる世界と内なる心、という分別は誤りだと思う」。森羅万象、過去現在未来意志…すべてひとしく四次元の全宇宙世界の立ち現われであり、「私」である。大森哲学の原点にして最高峰、待望の文庫化!

目次

1章 見ることと触れること
2章 見えている
3章 何が見えるのか
4章 「表象」の空転
5章 鏡像論
6章 過去透視と脳透視
7章 空間の時間性
8章 自由と「重ね描き」
9章 言い現わし、立ち現われ
10章 心

著者等紹介

大森荘蔵[オオモリショウゾウ]
1921‐1997。岡山県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、海軍に入る。戦後に同大学文学部哲学科に再入学、卒業。アメリカ留学を経て、東京大学教養学部教授、放送大学教授を歴任。独自の哲学をうちたて、多くの後進に影響を与えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ex libris 毒餃子

10
大森荘蔵哲学の骨子が詰まっているような内容。視覚認識の客観性を排して、最終的には空間と時間の客観性も排している。そして、心の客観性も排す。主客一元論的な「立ち現われ」論を展開する。他の本よりも述語が学術的なので、逆にわかりやすかった。しかし、科学哲学なので科学の知識はある程度、要する。2021/09/16

十文字

1
文庫にて再読。 若かりし頃に読んだ本書の単行本はA5版で函装だったのだけど、まさか文庫になるとは。 大森哲学の最高峰と言われる書物。2022/10/13

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