出版社内容情報
何が分からないかが分かる――、これは素晴らしい技能と言える。ある学問分野において何が分かっていないのかを正確に説明できるのは、その分野を相当に理解している人だけだ。
本書では、「心にとって時間とは何か」がどれだけ未知であるのかを探る。私の専門は哲学だが、哲学だけでなく科学についても、さまざまな知見を参照していこう。だれにも分かっていないことを謎としてうまく描き出すには、それがどのような知識によって囲まれているかを示さなくてはならない。私たちの知識の地図に、未踏の地の「輪郭」を描き込んでいくわけだ。
あとで改めて言い添えるが、私はこの目的のために、章ごとに違うサブテーマを定めた。〈知覚〉、〈自由〉、〈記憶〉、〈自殺〉、〈SF〉、〈責任〉、〈因果〉、〈不死〉という、各章の章題がそれにあたる。つまり、少なくとも八つの謎が本書には描き出されており、それらの不思議さや面白さ、そして、一つの謎から別の謎への道が見えてくる高揚感とが、私なりの言葉で綴られている。
第一章 〈知覚〉――時間の流れは錯覚か
第二章 〈自由〉――私はいつ決めたのか
第三章 〈記憶〉――過去のデッサンを描くには
第四章 〈自殺〉――死ぬ権利は、権利なのか
第五章 〈SF〉――タイムトラベルは不可能か
第六章 〈責任〉――それは、だれかのせいなのか
第七章 〈因果〉――過去をどこかに繋ぐには
第八章 〈不死〉――死はいつまで続くのか
8つのテーマと謎を手がかりに、「心と時間の不思議」に迫る!
内容説明
自由、自殺、SF、責任、不死…etc.8つのテーマと謎を手がかりに、「心と時間の不思議」に迫る!
目次
第1章 知覚:時間の流れは錯覚か
第2章 自由:私はいつ決めたのか
第3章 記憶:過去のデッサンを描くには
第4章 自殺:死ぬ権利は、権利なのか
第5章 SF:タイムトラベルは不可能か
第6章 責任:それは、だれかのせいなのか
第7章 因果:過去をどこかに繋ぐには
第8章 不死:死はいつまで続くのか
著者等紹介
青山拓央[アオヤマタクオ]
1975年生まれ。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。博士(哲学)。埼玉県立浦和高校、千葉大学文学部、同大学院博士課程、日本学術振興会特別研究員、山口大学時間学研究所准教授等を経て現職。2006年、日本科学哲学会石本賞を受賞。2011年、文部科学大臣表彰科学技術賞を研究グループにて受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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