内容説明
人生の成功を左右する「非認知スキル」。そのなかでもとりわけ重要な「自分をコントロールする力(実行機能)」は、どのように身につき、どんなときに働かなくなるのか?発達心理学の最新知見から、その育て方・鍛え方を大公開!
目次
第1章 実行機能とは?
第2章 自分をコントロールすることの重要性
第3章 実行機能の育ち方
第4章 自分をコントロールする仕組み
第5章 岐路となる青年期
第6章 実行機能の育て方
第7章 実行機能の鍛え方
第8章 非認知スキルを見つめて
著者等紹介
森口佑介[モリグチユウスケ]
福岡県生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。現在、京都大学大学院教育学研究科准教授。専門は、発達心理学・発達認知神経科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
59
自分に当てはめて考えた場合、どの類型にも属していなくて、じゃあ私は何なのだろうと思ってしまった。そんな簡単に分類可能なものなのだろうか、人間って。有名なマシュマロテストの信憑性が疑われているという説は興味深かった。私もマシュマロ嫌いな子どもだったし、どちらにせよじっとしているのが苦にならなかったから、テストはクリアできただろうな。2019/11/20
サアベドラ
29
非認知スキルのうちで特に重要とされる「実行能力(executive function)」が幼少~青年期にいかに発達するか、またその能力を伸ばすにはどうすればよいのかを解説した新書。著者の専門は発達心理学。2019年刊。実行能力とは、ざっくりいえば「目標を立てて自分を律して実行していく能力」で、充実した人生を過ごすためにとても重要。実行能力の鍛え方はまだ研究段階だが、子供の頃の十分なアタッチメントと適度な運動が大切であるらしい。大人になってから鍛え直すのは今のところ難しいらしく、私はもう手遅れの模様。2020/06/21
綾
26
育児関連の本を探していると、IQより非認知スキルが重要、とチラホラ目にすることがあり気になっていて読んだ。各章の最後にまとめがあるし、文章もすっきりしてて読みやすかった。「実行機能の向上にはこうするのが良い!」なんて短絡的には書いてなかったが、それが逆に信頼性があった。しっかり食べさせて遊ばせて寝させて、スポーツか音楽の習い事させて…、普通のことを普通にやろうかなと思った。2019/12/29
ハイちん
19
実行機能(非認知スキル)=自分をコントロールする力が、社会生活を送る上でいかに重要であるか。どのように獲得され、人生にどのような影響を与えるのかを説いている。子育てとかをしている人は面白く読めると思う。2020/02/12
sheemer
16
著者はアカデミアの人で、本書は自己啓発的な本ではなくデータとエビデンスに基づき、実行機能(executive function: いわゆるwillpowerと同じようなものに思われる)についてわかりやすく解説している。(文献もきちんと参照されている。)全体として小児期の実行機能の発達について話していて、大人になってからは実行機能はもうあまり発達・改善することはないので、対策として実践活動・セルフコントロールの邪魔・誘惑になる要素を減らす方が重要だ、と語っている。いい本だと思う。2023/06/13