内容説明
詐欺師から足を洗い、口の上手さを武器に実演販売士として真っ当に生きる道を選んだ武沢竹夫。しかし謎めいた中学生・キョウが「とんでもない依頼」とともに現れたことで彼の生活は一変する。シビアな現実に生きるキョウを目の当たりにした武沢は、ふたたびペテンの世界に戻ることを決意。そしてかつての仲間―まひろ、やひろ、貫太郎らと再集結し、キョウを救うために「超人気テレビ番組」を巻き込んだド派手な大仕掛けを計画するが…。
著者等紹介
道尾秀介[ミチオシュウスケ]
1975年生まれ。2004年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞受賞。09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞受賞。10年『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞を受賞。11年『月と蟹』で直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
566
道尾 秀介は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。昨日の『カラスの親指』に続いてシリーズ第二弾です。前作同様安定的な面白さでした。新キャラ キョウ(叶)が大変魅力的です🐸🐸🐸 http://kodansha-novels.jp/1910/michioshusuke/2019/11/28
しんたろー
348
新年1冊目に選んだのは2年前に読んで絶賛した『カラスの親指』の続編…哀しいかな詳細を忘れたので再読後に続けて読んだ…前作から時間経過して各人が元気なのが嬉しいし、主人公・武沢の職業設定も楽しい。コンゲーム自体は前作を凌ぐ程ではないが、丁寧に伏線を回収するスタイルは変わらず見事だし、武沢とゲストのキョウの心情描写も上手い。まひろの恋の行方が描かれずに終わったのが心残りだが、近い内に第3弾を書く為の宿題だと勝手に解釈して楽しみに待ちたい♬とは言え、前作を知らないと所々でモヤモヤすると思うので未読の人は要注意!2020/01/06
nobby
317
「久々に、派手なペテン仕掛けるぞ」カラスがとまる墓石の前で懐かしい面々が揃う冒頭から、もう一気に惹き込まれる!何故かタケさんに突っかかる中学生キョウをめぐる前半は、謎多くも思いのほか静かな立ち上がり。それがちょうど真ん中辺りで「……馬鹿にされたもんだな」と怒り沸騰してからは、期待通りに騙し合い始まるともう止まらない!前作と比べて少し一辺倒でハラハラ薄めなんて心配はご無用、それを含めてひっくり返し見せつけられて思わず拍手喝采。全編に渡りクスッと笑わされながら、読後には家族や人間味の温もり感じられるのがいい。2019/12/09
きゅっぷりん
314
★★★★☆ 『カラスの親指』の続編 現カタギ元詐欺師が敵から味方からダマし ダマされるお話 どれが真実なのか最後の最後まで気を抜けない 前作の面白さを知っているので「結局 私はダマされるんだろうなぁ」と変な安心感がありました やや インパクトには欠けた感はありますが 作者の思惑通りにダマされました(*^▽^*) この小説は前作を読んでいないと楽しめない典型的作品なので 『カラスの親指』を面白いと思った方は連続して読むと楽しさ倍増な事は保証します(^^)b 2021/02/14
旅するランナー
290
人間、どこから来たのかではなく、どこへ行くのかが大事だ。たけさんズ6による、騙し騙され展開に、話がピョコピョコひっくりカエル。詐欺や実演販売のテクニックに興奮しつつ、読者も優しい嘘に引っ掛かる気持ちの良さを800%味わうことができます。僕の中で道尾小説が未だに蛙化現象を起こしていないのは、道尾騙しテクニックに巧いことエンカクソーサされているからなんでしょうかネ。2019/12/01