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出版社内容情報
私たち人間が風邪をひいたり、腹痛を起こしたりするように、実はありとあらゆる生命体(ウイルスを含めて)が病気になる。それは陽の光を浴びて光合成を行い、穏やかに暮らしているように見える植物も例外ではない。
しかしながら「植物の病気」については、一般にほとんど知られていない。そもそも植物に病気を起こす病原菌は、我々ヒトや動物に感染する菌と同じなのか? 動物では生体防御に必須の自然免疫や獲得免疫が存在するが、免疫に必要な白血球や抗体も、それを全身に運ぶ血液もない植物はどうやって病原体を撃退するのか?
動くことのできない植物は、ウイルスや病原体からの感染に対して無為無策のように思われるが、実は動物たちに勝るとも劣らない独自の感染防御機構を発達させてきた。病原体が細胞壁に付着しただけで、それを認識して、感染経路を遮断したり、有害物質を分泌して病原体を撃退する。驚くべきことに植物は、動物の自然免疫や獲得免疫に匹敵する特有の免疫機構で感染を防御していることがわかってきた。対する病原体も、こうした防御機構を無力化する、特殊な分子メカニズムを発達させてきた。陸上植物が生まれてから約5億年といわれるが、そのその長い時間、植物と病原菌は生死をかけた「果てしなき戦争」を繰り広げてきた。スパイさながらの防諜戦、大量破壊兵器とそれを迎撃するミサイル、感染すると細胞がアポトーシスする「自爆機構」など、植物と病原体の分子レベルの闘いは、きわめてダイナミックである。本書では、そんな植物と病原菌の関係にフォーカスを合わせ、その驚くべき攻防の舞台裏を解説する。
序章 植物病気と人間社会
第1章 植物の宿敵たち
第2章 植物病原菌はどうやって病気を起こすのか
第3章 植物はどうやって病気から自らの身を守るのか
第4章 植物と病原微生物の「軍拡競争」
第5章 植物と微生物の寄生と共生をめぐる「共進化」
第6章 植物の病気から生まれた科学的な発見
内容説明
陸上植物がこの世に誕生してから約5億年。植物と、目に見えない生態系の「世界の真の覇者」たる微生物は生き残りをかけた闘いを続けてきた。攻撃に対して無力にもみえる植物だが、進化を通じて獲得した「化学兵器」や「免疫機構」によって容赦なく襲いかかる病原体の攻撃をしのいできた。「動けない植物」たちが、進化することで生み出した驚きの防御機構とは…分子の世界で繰り広げられる植物と病原微生物との「死闘」。
目次
序章 植物と病気と人間社会
第1章 植物の宿敵たち
第2章 植物病原菌はどうやって病気を起こすのか
第3章 植物はどうやって病気から自らの身を守るのか
第4章 植物と病原微生物のはてしなき「軍拡競争」
第5章 植物と微生物の寄生と共生をめぐる「共進化」
第6章 植物の病気から生まれた科学的な発見
感想・レビュー
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chimako
やいっち
きみたけ
やいっち
ばんだねいっぺい