講談社学術文庫<br> 言語と行為―いかにして言葉でものごとを行うか

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講談社学術文庫
言語と行為―いかにして言葉でものごとを行うか

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065143131
  • NDC分類 801.01
  • Cコード C0110

出版社内容情報

哲学は、この書によって不可逆的な変化を受けた。「言語行為論」を創始したことで知られる記念碑的名著、初の文庫版での新訳が誕生!本書は、哲学に不可逆的な影響を与えた記念碑的名著、待望の文庫版での新訳である。
ジョン・ラングショー・オースティン(1911-60年)は、イングランド北西部の街ランカスターに生まれ、オックスフォード大学ベリオール・カレッジに進学した。語学、音楽、スポーツなど多彩な才能に恵まれた中で最終的に哲学を選んだオースティンは、20代半ばには早くも教壇に立つようになる。しかし、カリスマ的な威圧感を漂わせつつ独裁的とも思えるふるまいが目立ったことにも示されているように、当時のオースティンは何よりも「破壊的」な哲学者だった。
オースティンが生涯に発表した公刊論文は、わずか7本。48歳で早逝したとはいえ、きわめて寡作だったオースティンだけに、1955年に行われたハーヴァード大学での講義は、哲学の歴史にとって決定的に重要な意味をもつことになった。それらのうち「ウィリアム・ジェイムズ講義」として行われたもののために書かれたノートが、本書である。ここでオースティンは初めて「構築」に転じ、みずからの哲学の到達点を示している。
本書で提示された理論は「言語行為論(speech act theory)」と呼ばれる。従来の言語論は、命題の真偽を問題にしてきた。それに対してオースティンは、言葉はただ事実を記述するだけでなく、言葉を語ることがそのまま行為をすることになるケースがある、と言う。例えば、「約束する」と発話することは「約束」という行為を行うことである。ここにある「確認的(コンスタティヴ)」と「遂行的(パフォーマティヴ)」の区別は、以降の哲学に不可逆的な影響を与えた。
言語行為論は、ジョン・R・サール(1932年生)といった後継者を生むとともに、ジャック・デリダ(1930-2004年)の批判を呼び起こした。それを契機に巻き起こったデリダ=サール論争は、よく知られている。
オースティン研究の第一人者による訳文は、オースティンの息遣いを伝えてくれるだろう。これからのスタンダードとなる決定版が、ここに誕生した。

編者まえがき
第I講 〔遂行体と確認体〕
第II講 〔適切な遂行体のための諸条件〕
第III講 〔不適切さ──不発〕
第IV講 〔不適切さ──悪用〕
第V講 〔遂行体の条件として考えうるもの〕
第VI講 〔明示的な遂行体〕
第VII講 〔明示的な遂行的動詞〕
第VIII講 〔発語行為、発語内行為、発語媒介行為〕
第IX講 〔発語内行為と発語媒介行為の区別〕
第X講 〔「……と言うことにおいて」対「……と言うことによって」〕
第XI講 〔言明、遂行体、発語内の力〕
第XII講 〔発語内の力の分類〕
補 遺
訳者解説
訳者あとがき
索 引


J. L・オースティン[J. L オースティン]
著・文・その他

飯野 勝己[イイノ カツミ]
翻訳

内容説明

言葉は事実を記述するだけではない。言葉を語ることが行為をすることになる場合がある―その事実をJ・L・オースティン(一九一一‐六〇年)は一九五五年に行った講義で指摘した。「確認的(コンスタティヴ)」と「遂行的(パフォーマティヴ)」の区別は、本書で提示された。「言語行為論」の誕生を告げる記念碑的著作、初版に基づく初の文庫版新訳。

著者等紹介

オースティン,J.L.[オースティン,J.L.] [Austin,John Langshaw]
1911‐60年。イギリスの哲学者。後世に多大な影響を与えた「言語行為論」の創始者

飯野勝己[イイノカツミ]
1963年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。現在、静岡県立大学准教授。専門は、哲学・言語哲学・コミュニケーション論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

39
前半は遂行的発話を、後半は言語行為の三層構造を考察します。ツリー状に恣意的な分類分けをして、その矛盾を自ら指摘し、無効化することの繰り返しで、正直、まともに読む価値ないかなという印象です。事実確認的発話を遂行的に使うことは誰でも思いつきますし、あえて事実確認的発話をして、遂行的不在によって相手に対して遂行的に機能させるなど、文脈によって意味が変わるのが言語であるということを我々は知っています。有意味な言語だけを扱うことが、窮屈で貧しいことだということを教えてくれたと考えることにします。2019/06/20

かんやん

32
論理学が扱うような真/偽で表される命題(確認体)に対して、発言することにおいて行為することになる遂行体。例、「誓います」「命名する」「いくら賭ける」etc(自分なら、「バーカ」侮辱する、「こんにちは」挨拶する、「表に出ろ」喧嘩を売るなど、思いつく)。真/偽ではなく、適切/不適切を基準にして遂行体をああでもない、こうでもないと分析してゆくのだが、言葉で言葉を分類しテストする錯綜した議論ゆえに辿り辛く、導入される新たな概念や観点も役に立たず、結局、例外が多すぎる。しかし、思考の過程としては面白くもある。2021/08/05

buuupuuu

27
言明と似たような見かけをしながら、事態を記述するのではなく、それを言うことで何らかの行為を行っていることになるような発話もしくは文を「遂行体」として取り上げ、分析しようとするところから始まる。最初は、ラッセルの記述理論のように、遂行体の実態を明示化するような表現が探求されるが、どうやらそれがうまく行かなそうだということになり、途中で発話を行為という観点から考えるという方針に切り替わる。ここで意味行為と発話内行為が区別され、言明は発話内行為に分類されることになる。適切さや含意関係などの話が面白い。2023/11/26

フリウリ

10
この本の哲学史的な意味は知識として知っています。遂行的発話と確認的発話の2分類。そして、発話行為、発話内行為、発語媒介行為の3分類。しかし読んでびっくりしたのは、これらの分類は「さしあたって」提示された概念であり、議論が進むにつれて、次々と覆されていくことです。見立ては明らかに正しい。なのに覆されていく。その理由は、探求の方向性が誤っているから、と考えることもできます。しかし、その誤りがなぜ起きるのかを突き詰めることは、立派なテツガクだと思います。行きつ戻りつの議論が続きますが、おもしろく読みました。82023/07/30

たか

8
難解でした…2019/06/10

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