出版社内容情報
仙台藩を中心とする列藩同盟結成に奔走する玉虫左太夫たちは、東北雄藩をまとめきれるのか。北上する新政府軍は白河の関に迫る。
内容説明
繁栄する米国と欧州列強に屈したアジア、アフリカをその目に焼き付けた玉虫左太夫。だが帰国後にその経験を生かすのは難しかった。郷里仙台に戻れば、下級藩士に戻る左太夫。だが倒幕のうねりは、いよいよ奥州に迫り来た。新政府軍からも列強からも奥州は守らねばならぬ。奥州を一つに!左太夫は奔走する。
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年大阪府生まれ。大阪歯科大学卒。’97年小説CLUB新人賞佳作。講談社文庫の「奥右筆秘帳」シリーズは、「この時代小説がすごい!」(宝島社刊)で、2009年版、2014年版と二度にわたり文庫シリーズ第一位に輝き、第3回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞も受賞。歴史小説にも取り組み、『孤闘 立花宗茂』(中公文庫)で第16回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はかり
18
内容はよく理解できるし、登場人物は知っている偉人が多い。しかし、主人公の玉虫左太夫はまったく知らなかったし、奥羽列藩同盟というのも知らなかった。幕末、維新の史実をよく知らないというのは問題だろう。ほんの百年ほど前の話なのに。いずれにしても変人・奇人なのは西郷隆盛だろう。2021/09/02
mam’selle
14
この作家さんにしては珍しく実在の人物を主人公に据えた作品。チャンバラや忍者の暗躍は無いが読み応えがあった。福井藩の松平春嶽の立ち位置や何故坂本龍馬が暗殺されたかなど経緯が意外とわかりやすくて、初めて理解できたことも多かった。2019/06/02
suma2021
7
幕末の仙台藩に現れた俊才、玉虫左太夫の歴史小説です。下級武士でありながら、先見性や能力があることで、多くの人に引き上げられる。しかしながら奥羽越列藩同盟は理念はあっても、寄せ集め集団では大きな歴史を揺るがす戦いには勝てないところがもどかしい。優秀だが歴史に埋もれるような人も小説だからこそ心の響くように描かれるのだろう。2023/03/11
kamakatsu
4
下巻。奥羽越列藩同盟の結び付きが脆いものであったことは知っていたが、どんな状況であっても、何名か集まれば必ず反発するものが現れる。結局西郷隆盛も新政府に見限られる。実働部隊が報われないのは、いつの時代も変わらない。2019/11/25
はすみ
3
分かりやすく、読みやすいのはとても結構なことだ。玉虫左太夫という人物を知るにはWikipediaよりかは本書が優れている。 2022/07/09