出版社内容情報
学問を積み、いちはやく世界一周する機会をつかんだ仙台藩下級藩士・玉虫左太夫は、奥州の”坂本龍馬”となれるか?
内容説明
仙台の下級藩士の家に生まれ、江戸で学問を積むためには、逐電するしかなかった玉虫左太夫。やがて頭角をあらわし、勝海舟、坂本龍馬との知己を得る。列強の圧力の中、米国へ向けた使節団がポーハタン号で、品川沖を出発。新見豊前守の従者として乗り込んだ左太夫は、見知ったことを懸命に記録していった。
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年大阪府生まれ。大阪歯科大学卒。’97年小説CLUB新人賞佳作。講談社文庫の「奥右筆秘帳」シリーズは、「この時代小説がすごい!」(宝島社刊)で、2009年版、2014年版と二度にわたり文庫シリーズ第一位に輝き、第3回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞も受賞。歴史小説にも取り組み、『孤闘 立花宗茂』(中公文庫)で第16回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はかり
14
仙台藩の玉虫左太夫が主人公。浅学にしてこの人は知らなかった。仙台を脱藩した玉虫は学問を積むため江戸に出る。やがて勉学が認められ、米国の視察団に加わる。米国で見分を広めた玉虫を待ち受けたのは、数多くの人物達。2021/08/28
mam’selle
11
万延元年にポーパタン号で渡米した幕府使節団に同行した仙台の下級武士のストーリー。どこまでか史実か分かりませんが、上田秀人さんらしいエンタテインメント溢れる豪華な共演陣が素晴らしい!2019/05/26
てぃと
3
主人公は仙台藩の玉虫佐太夫(この人物のことは、恥ずかしながらこの小説を読むまでには全く存じ上げなかった…)。欧米植民地への渡航経験によって衝撃を受けて、生ぬるい古い考え方が国防の危機感とともに現実的なものに変わっていく様に共感できてしまいました。勝海舟、坂本龍馬、松平春嶽等の幕末豪華キャストも登場して、この後の展開が大いに気になります。下巻へ。2022/05/22
kamakatsu
3
幕末における東北の藩の話といえば、どうしても会津の松平を連想する。この作品は、奥羽越列藩同盟の生まれたきっかけを上巻で書いている。史実という、答えを知って読んでいるが、当事者はいかなるものだったか想像を絶する。2019/11/21
コニタン
3
上田秀人の歴史小説は物語の進みが早く、取扱説明書が少ないので、退屈せず上巻を読み終えました。下巻に入ります。2019/08/08