出版社内容情報
子供を人間に連れ去られたトラがある島に流れ着いて死んだとき、食べると動物語がわかるヤマナシの実を残した! その実を食べた二人の子供と動物たちが、島を開発しようとする大人たちに立ち向かう「タイガーランド」ほか、動物を主題にした物語を集めた『タイガーブックス』第1巻。<収録作品>『タイガーランド』『悪右衛門』『原人イシの物語』『低俗天使』『ぬし』 <手塚治虫漫画全集収録巻数>「タイガーランド」(手塚治虫漫画全集MT121『タイガーブックス』第1巻収録)/「悪右衛門」(手塚治虫漫画全集MT121『タイガーブックス』第2巻収録)/「原人イシの物語」(手塚治虫漫画全集MT121『タイガーブックス』第2巻収録)/「低俗天使」(手塚治虫漫画全集MT121『タイガーブックス』第2巻収録)/「ぬし」(手塚治虫漫画全集MT121『タイガーブックス』第2巻収録) <初出掲載>「タイガーランド」 1974年1月6日~12月29日 赤旗日曜版連載/「悪右衛門」 1973年9月号 別冊少年ジャンプ掲載/「原人イシの物語」 1975年10月20日増刊号 週刊少年サンデー掲載/「低俗天使」 1975年5月12日号 週刊少年ジャンプ掲載/「ぬし」 1972年6月19日号 週刊少年チャンピオン掲載
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZUNARI
4
短編集。親と引き離されたトラの子が大きな島に渡りやがて人間に戦いを挑む「タイガーランド」キツネを殺す生業の男がひょんな事からキツネが姿をかえた妻そっくりの女と・・「悪右衛門」現代に原始人の生き残りが!?人間の戦争の愚かさ浮かび上がる「原人イシの物語」密航難民の少女とカメラマンの逃避行。少女の正体に驚く「低俗天使」戦国時代に恐竜が現れた?ここも戦争の愚かさ悲しい「ぬし」2019/02/02
がんぞ
3
開高健は昭和39年頃、漫画ブームとて渉猟濫読した後「手塚治虫だけが読む価値がある」とした「画に可笑しみとペーソスがある」優れた芸術に共通。BJが東大医学部学生の選ぶ医療漫画のベスト1であるように/ストーリーは出たとこ任せの継ぎ接ぎ(長編では顕著)、キャラは使い廻しだがパトロンの即興の注文にも見事な作品で応じたハイドンのように古典として輝きを保ち全作品が読む価値がある/赤旗日曜版に昭和49年一年間連載された『タイガーランド』〈母親喪失〉のモティーフで、意外にもハッピーエンドとなる。サヨクは敗者の美学を不可知2020/06/28
ホームズ
3
初めて読む作品ばかりでした(笑)『タイガーランド』『悪右衛門』『ぬし』が良かった(笑)やはり『ブッダ』のような衝撃はありませんでしたが楽しめました(笑)2011/06/16
ふろんた
1
★★★2019/11/19
アーチャー
1
20年以上ぶりの再読です。手塚治虫には動物を主人公にした作品がたくさんあります。本作もそのひとつで、人間と話せる設定がなかなか面白いです。「タイガーランド」以外の作品はちょっと悲しい物語ですが、なかでも「悪右衛門」迫力もあり、読み応え十分の作品だと思います。手塚治虫の幅広い作風がこの1冊だけで十分に知ることができます。2011/10/06