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講談社学術文庫
円の誕生―近代貨幣制度の成立

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  • サイズ 文庫判/ページ数 378p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062920308
  • NDC分類 337.21
  • Cコード C0133

出版社内容情報

両から円へ。貨幣制度から見た幕末維新史。開国と世界経済への参入は、「両」に代わる新たな通貨の誕生を促した。江戸期の複雑な貨幣制度から「円」への移行を成功させた、日本的近代化の実力とはなにか。

内容説明

「円」は、開国から維新にいたった日本の「世界経済への参入」を象徴する通貨単位である。両・分・朱という四進法の貨幣から十進法の円貨幣へ、なぜスムーズに移行できたのか。江戸期の複雑な「三貨制度」や列強との厳しい通商交渉を通じて、自力で近代化を進めてきた日本経済の実力と、新単位「円」誕生の秘密を探る。貨幣から見た幕末維新史の名著。

目次

第1章 開題
第2章 江戸時代の貨幣制度と貨幣的経済
第3章 外国貨幣との交渉
第4章 円の由来
第5章 円の誕生
終章 円金本位制度の確立
補論 円の系譜

著者等紹介

三上隆三[ミカミリュウゾウ]
1926年、京都市生まれ。東京商科大学卒業。経済学博士。和歌山大学経済学部教授、経済学部長を経て、和歌山大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中年サラリーマン

15
両から円への変遷。計算方式になじみがなく、読み飛ばしていると地味に難解になる。まぁ、マジメに計算すれば分かるけどなぁ。しかし、維新期の不平等条約の貨幣的な側面が分かるのがよかった。明らかに不合理な条件を押し付けられ日本から金銀が流出する危機にみまわれる。しかし、その条件を逆手に取った対策を日本が講じると論理的には整合しているので反論できないが今度は軍事力で押さえ込もうとする。話し合いのテーブルに持っていくためにはある程度腕力も必要ということが良く分かる。富国強兵は生き残り戦略。2014/04/14

isao_key

5
円について主に明治4(1874)年の誕生までの道のりを詳細に調べた学術的な記録。両から円という称呼を採用した由来について決定的なことは分かっていない。貨幣が円形と決定され、貨幣の称呼が円になったからという形状説と、慶応4年に閉鎖されたイギリスの香港造幣局の機械を買い入れて鋳出したものが「香港一円」の極印をおびた香港ドルだったからと2つ説があるようだ。ENやWENでなくYENとなったのは日本のみならず中国本土やアジア各地の華僑にも親しみのもてる使用されやすいよう中国的表記も兼用しようとの意識があったという。2014/08/05

孤独な読書人

2
江戸期の両制から明治の円制への移行がなぜあまり混乱もなく出来たかがわかる本。2011/11/11

rbyawa

1
e359、江戸時代の改鋳(概ね悪鋳)に関しての商人と政府の水面下の戦いは記されていたものの、江戸が金、上方が銀という商売上の話などは守備範囲外のようで、あと「明治一両」がそのまま「一円」となったというのはわかりやすかったものの(多分10万円の価値ないよねこれ)、藩札や太政官札や兌換紙幣が存在した話などはなく、概ね貨幣に関してのみに絞られていたように思う。円のルーツ、イギリスとの意見対立はいいけど、政府内に金本位の推進者がいなかったら民間じゃないのかな…、と読んでいてふと感じたがまあ後継研究者に期待しよう。2014/12/25

冬至楼均

1
金銀二貨制(銅を入れれば三貨制だけど)の改革は維新にはどうにか間に合っていた。通貨統一が成されていなかったら、明治の新政府も大変だったでしょう。2011/04/13

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