出版社内容情報
戦国武将物から人情劇、偉人伝に海洋冒険小説まで。大正から昭和にかけて絶大な人気を博した伝説の雑誌から生まれた傑作短篇を集成。戦国武将物から人情劇、偉人伝に海洋冒険小説まで。大正から昭和にかけて絶大な人気を博した伝説の雑誌から生まれた傑作短篇を集成。
講談社文芸文庫[コウダンシャブンゲイブンコ]
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内容説明
吉川英治が若き信玄を(「武田菱誉れの初陣」)、大佛次郎が新選組と闘う「鞍馬天狗」の活躍を、金子光晴は刀鍛冶の兄弟を描き(「名剣旭丸」)、児童文学者からは椋鳩十の名作「大造爺さんと雁」と吉田甲子太郎(朝日壮吉)の「秋空晴れて」を収録。戦国武将物から海洋冒険小説、人情話に奇譚、偉人伝まで。有名無名を問わず22篇を精選、物語の魅力を伝える短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
現在葬送のフリーレンのコスプレ中・寺「葬送のフリーレンて何や!」
56
金子光晴が書いた少年向け時代小説など、興味深いラインアップの少年倶楽部アンソロジーなのだが、私は今少しハマっている大佛次郎『鞍馬天狗』が読みたくてそれのみ読む。禁門の変を描いた『鞍馬天狗』。鞍馬天狗は長州と共に闘いながら、杉作と吉兵衛に避難を促す。新選組に捕まりそうになった杉作を助けるのは、敗軍の将・桂小五郎。負け戦の後も絶望せずに空を見上げる桂小五郎と鞍馬天狗。しかしどことなく淋しい余韻がある。桂にも鞍馬天狗にも杉作にも一生忘れられない月夜の思い出のスケッチである。鞍馬天狗をもう少し追いかけたい。2018/09/20
メイロング
5
どれも完成度がすごい。戦前の児童小説というと戦時色のイメージが強かったけど、あっさり打ち壊されました。名作選・短編選の方も読んでみたくなる。「たまらない、たまるわけがない」ってフレーズどこだっけ、すごく好き。2015/02/10