講談社現代新書<br> アメリカ・メディア・ウォーズ―ジャーナリズムの現在地

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講談社現代新書
アメリカ・メディア・ウォーズ―ジャーナリズムの現在地

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  • サイズ 新書判/ページ数 261p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062882279
  • NDC分類 070.253
  • Cコード C0236

出版社内容情報

ウェブで激変する米国新聞業界。新旧メディアそれぞれの生き残り戦略とは? 改めて問われるジャーナリズムの役割を丹念な取材で追う2013年8月、アメリカを代表する高級紙であるワシントン・ポスト紙が、
アマゾンのCEO、ジェフ・ベゾス氏に買収されたことは、大きな驚きをもって全世界に伝えられた。
だが、アメリカのメディア界では近年、とくに2008年のリーマン・ショック以降、このニュースに象徴されるような激変が起こり続けている。
ワシントン・ポストのライバル、ニューヨーク・ポストの大規模リストラと、ウェブ有料化の成功、
老舗の新聞社が新聞発行をあきらめ、オンライン専門のニュースサイトへの転換、
地方紙連合による記事共有化、
調査報道専門のNPOメディア・プロパブリカが、米報道界最高の名誉であるピュリツァー賞受賞するなど、NPOメディアの台頭、大学との連携。
そして報道のやり方の変化。
そんな激動のアメリカ・メディアの世界を、ボーン・上田賞受賞記者が丹念な取材から浮き彫りにする。
ニュースを伝えるのは誰なのか? これからの報道を誰が担っていくのか?
これは日本の近未来の姿なのか……。

第1章 岐路に立つ米新聞業界 
    
オンライン報道をピュリツァー賞審査の対象に
ピュリツァー賞受賞記者が解雇に怯える
経費も報道も三分の一の原則
広告費激減の背景
クレイグリスト
第2章 ニュースはタダか
四人に一人が職を失う時代
ウェブ上の記事閲覧をタダにしたのは失敗
世論調査「課金の妥当額は三ドル
フリーミアムという発想
紙とデジタル、両立の戦略
ワシントン・ポスト紙の「結婚」
新たなニュース消費の行方
第3章 ハイパー・ローカル戦略は生き残りのキーワードか
AP通信との契約見直し
地方紙連合の誕生
ハイパー・ローカル・ニュースサイト
「狭さ」が広告にはいい?
第4章 NPO化するメディア
「ウォーターゲート事件」取材統括の記者に会う
再建のキーワードは多様化
既存メディアの「内部破壊」
急増するNPO
「生活の質を向上させる」報道
第5章 調査報道は衰退するのか
大学を拠点にする
トレンドはデータ集積型
プロパブリカという巨人
プロ・アマジャーナリズムの実践
メディアのデータバンク化
米ジャーナリズムの生命線


大治 朋子[オオジ トモコ]
著・文・その他

内容説明

ニュースを伝えるのは誰か。激変する米メディア界をボーン・上田賞受賞の記者が描き出す。

目次

第1章 岐路に立つ米新聞業界(米コロンビア大学のジャーナリズム・スクールを訪ねる;オンライン報道をピュリツァー賞審査の対象に ほか)
第2章 ニュースはタダか(新聞不況の震源地;五人に一人が職を失う時代 ほか)
第3章 ハイパー・ローカル戦略は生き残りのキーワードか(小規模な新聞社ほど強い;AP通信との契約見直し ほか)
第4章 NPO化するメディア(米ジャーナリズムの再建;「ウォーターゲート事件」取材統括の記者に会う ほか)
第5章 調査報道は衰退するのか(地元紙がなくなっても影響はない?;大学を拠点にする ほか)

著者等紹介

大治朋子[オオジトモコ]
東京都生まれ。1989年毎日新聞社入社。阪神支局、サンデー毎日編集部、東京本社社会部、ワシントン特派員などを経て、現在はエルサレム支局長。2002年の防衛庁(当時)における情報公開請求者への違法な身元調査に関する調査報道、03年の防衛庁(同)自衛官勧誘のための住民票等個人情報不正使用についての調査報道で02、03年度の新聞協会賞をそれぞれ受賞。ワシントン特派員時代は米国の対テロ戦争の実情を描いた長期連載「テロとの戦いと米国」、米メディアの再編に関する連載「ネット時代のメディア・ウォーズ」で、10年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

86
アメリカのメディアも色んな創意工夫が求められているんだなと感じた。その中からどのモデルが採用されるのか楽しみだ。2014/01/15

おさむ

8
米国の新聞社のドラスティックな変化は、10年後の日本の未来図なのだろうか?民主主義にジャーナリズムは不可欠。新聞は厳しい環境下でも、何とか生き残りへの道を模索し続ける事が大事ですね。2013/10/17

nizimasu

8
現状のアメリカの新聞メディアを毎日新聞の記者が取材しまとめたもの。どこぞのデータで書いた本と違い、最前線で奮闘する記者や関係者の声をまとめ実に誠実な仕事ぶり。まずそこに敬意を表したい。それに加え、ニュースサイトのマネタイズやその縮小する広告費の埋め合わせとリストラのバランスも対岸の火事ではない。くしくも日本で成功している東洋経済オンラインの編集長も「調査報道の減少」をネット記事の特性とあげていてまさに現実の日本のメディア状況ともリンクするではないか。まさに日本のジャーナリズムの予言書になるかもしれない2013/10/14

yokmin

7
読売新聞(11/10/2013)「本 よみうり堂」掲載の開沼博氏書評「米国で起きている倒産・買収は『ただの後退戦』ではない。そこにある『技術の発展と消費者ニーズに沿った柔軟な変化』は、私たちが日本のメディアとジャーナリズムの未来を想像する上で様々な視点を与えてくれるだろう」に共鳴する。 このようなすばらしい読後感を記す能力があればいいなあ・・ 現代ビジネス(オンライン) 「3紙で18年間働いた日本人記者が明かす 米国の新聞はなぜ瀕死の状態に陥ったのか」 岩部高明著 をあわせて読むとよい。  2013/11/26

おおかみ

7
毎日新聞ワシントン支局に勤めた著者が目の当たりにした、米メディアの激変。記者特有の筆致によりそのダイナミズムが強く伝わってくる。大手紙のオンライン専門サイトへの転換であったり、複数紙の記事共有化であったり、あるいはNPOメディアの台頭であったりと、とにかくめまぐるしいが、意外にもそれらはさほど悲観的でないようにも見える。というのも、メディアや社会の性質について、どうにも日本の方が柔軟性に乏しいように感じられるわけで、米国の事例を検証していくのは喫緊の課題である。2013/11/04

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