出版社内容情報
「上から目線」の流行の背景には、現代日本のコミュニケーション不全の問題があった。その問題を日本語の特性にまで分け入り解明。
なぜ2000年代後半から「上から目線」という重苦しい言葉が、社会のあらゆる場面で使われるようになったのか? その背景を目線の始まり、社会の変化、日本語の構造にまで踏み込んで解明。
「コミュニケーションが困難な時代」には対立の尖鋭化が目線となって表れる。目線が悪さをする例、目線に怯える問題点、下から目線の居心地の悪さなど、目線の問題を多くの視点から取り上げながら、さらに、「コミュニケーションが困難な時代」の新しいコミュニケーションスタイルを提案する。
「上から目線」の時代を真正面から取り上げた快著誕生!
第一章 それは『バカの壁』から始まった
「上から目線」の重苦しさ/「目線」の語源/「目線」が意識され始めたきっかけ/
「下から目線」の違和感 etc.
第二章 政治の混乱と「上から目線」の登場
「空気」が消え、「困難」の時代がやってきた/「困難の感覚」から「目線」の時代へ/
「低姿勢」だけは外さない民主党政権 etc.
第三章 日常生活の中の「上から目線」
「初対面の会話」の危機/消滅したテンプレート/「管理職うつ」とコミュニケーション/
企業内のコンフリクトが顕在化する/「不機嫌な職場」のメカニズム etc.
第四章 価値観対立と「目線」
野良ネコと地域ネコ/趣味の世界の会話がトラブルになる理由/オリンピックを巡る目線/
ホリエモンが煮詰まった問題とは/世界観論争はどうして「上から目線」になるのか? etc.
第五章 「コミュニケーション不全」と「目線」
モンスター対専門家の目線バトル/下ネタはどうして空気を壊すのか?/
「失語症社会」と目線/なぜ日本では寄付行為は偽善なのか?/アメリカにもある「上から目線」/
目線に振り回されるプロフェッショナリズム etc.
第六章 日本語の特質と「上から目線」
勝間=ひろゆき対談と目線/日本語の会話と上下関係/日本語の交渉は非対称/
敬語と上下関係/「上から目線」の正体とは etc.
第七章 対等であればつながれる
ツイッターの実現した「対等性」/松本大臣発言の問題とは何だったのか? etc.
第八章 「上から目線」時代のコミュニケーション
価値観の相違に敏感に、そして価値観論争はスルー/利害対立に敏感に、そして利害の結節点に立て/
会話の目的に徹して、不要なコンフリクトは避けよ/「です、ます」のもたらす大人の距離感/キャラの問題は重要だ etc.
内容説明
なぜ目線にイラッとするのか?会話が困難な時代の処方箋。新しいコミュニケーション・スタイルを提案する。
目次
第1章 それは『バカの壁』から始まった
第2章 政治と混乱と「上から目線」の登場
第3章 日常生活の中の「上から目線」
第4章 価値観対立と「目線」
第5章 「コミュニケーション不全」と「目線」
第6章 日本語の特質と「上から目線」
第7章 対等であればつながれる
第8章 「上から目線」時代のコミュニケーション
著者等紹介
冷泉彰彦[レイゼイアキヒコ]
1959年東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院修士課程(日本語教授法)修了。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。プリンストン日本語学校高等部主任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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