内容説明
妙なうわさを聞いた。「至恩のはた」を纏うひとたちが、鬼に化けるというのだ。その布はとてもとてもうつくしくて、まるで…。これは鬼灰買いの佐平治が、ひとりの人を救う物語であり。女子高生、野々村小箱が、ひとりの友を助く物語であり。悪鬼改方の長谷川鉄虎が、ひとりの鬼を討つ物語であるという。…まあひらいてみるとしようか。彼岸にまでとどいてくる話だ、何かあるに違いねえ。
著者等紹介
小仙波貴幸［コセンバタカユキ］
小説家。『鬼灰買いの佐平治―教えで十七、水の衣を織り成して千歳の綾を解きほぐす』にて書籍デビュー
一橋真［イチハシマコト］
イラストレーター。『鬼灰買いの佐平治―教えで十七、水の衣を織り成して千歳の綾を解きほぐす』にて書籍デビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
耳たぶ＠灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
6
想像させる、という意味でイラストは少な目がいいかも。綺麗だけど。2010/08/08
Gen9
2
面白い。短篇のときもそれなりに読めるモノだったけど、長編になってもまったく齟齬が出ることなく、綺麗にお話が作られている。「鬼灰買い」という設定も目新しいし、まったく無名の新人が書いたことを感じさせない、秀作だったと思います。イラストや装丁も丁寧で素敵なので、そういう面だけでも買う価値あり2009/07/14
えだまめ
1
そつなく出来ている。調べるところはきちんと調べている。イラストと装幀は百点。内容は七十五点。でも講談社ＢＯＸに期待している「何か」はなかった。いや、もうそんな「なにか」をここに求めることは間違っているかもしれないけれど2009/10/21
キスイ
0
時代劇的な舞台と思っていたら普通に現代のお話でした。設定がいろいろと面白い取り合わせでちょっぴり不思議な世界観。デビュー作というわりに新人さんらしい勢いには欠ける感じですが、安定感はあると思います。挿絵が丁寧で好印象。2013/01/19
ふじさん
0
二十一世紀の日本を舞台とした現代の伝奇物語。日常に人知れず潜む鬼と、それを密かに討って回る組織という外枠の物語こそオーソドックスながら、そこに絡む「灰買い」の設定は目新しく奇抜。大時代的な道具立てと服飾という現代的な題材とが衝突せず、作品中で自然に同居している点の非凡さは特筆すべきだろう。終盤で明かされる鬼の正体にも見事に意表を突かれた。ただ、次々と視点が切り替わり事件が起こっていく割には、全体にやや一本調子な印象も。決着が淡泊な所も若干気になる。フルカラーの挿絵や紙の質感等、拘りを感じる装丁は文句無し。2012/05/10
