講談社・文学の扉<br> とうちゃんとユーレイババちゃん

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講談社・文学の扉
とうちゃんとユーレイババちゃん

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  • サイズ B6判/ページ数 202p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062832427
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8093

出版社内容情報

複雑な家庭環境ですごす小6男子とまわりの人たちの日常を、ユーモラスにあたたかく描く。第18回ちゅうでん児童文学賞大賞受賞作品 「第18回ちゅうでん児童文学賞」大賞受賞作品です。(選考委員:斉藤洋、富安陽子、鷲田清一)
 複雑な家庭環境にある小6の男の子をとりまく、ちょっと不思議で、ちょっとせつないこともある日々が、ユーモアいっぱいに描かれています。
 小学校高学年から、楽しく読める一冊です。

●あらすじ

 ぼくは六年生。「とうちゃん」とお母さんと三人暮らし。でももう一人、なぜかぼくにしか見えない、ユーレイのババちゃんもいっしょだ。ぼくが四年生だった冬の寒い朝、ババちゃんはベッドの中で冷たくなっていた。六十五歳だった。そしてその日から、ババちゃんはユーレイになったのだ。
 なぜ成仏できないのかは、ババちゃんにもわからないらしい。「心残りが多すぎるからかね。」そう言って、ババちゃんはガハハと笑う。ババちゃんの心残りは、たぶん家族のこと……。
 お母さんは、十八歳でシングルマザーになり、ぼくを産んだ。とうちゃんは、ぼくの父親ではない。お母さんの十歳年上のお兄さんだ。つまりぼくの伯父さんだ。名前が透也だから「とうちゃん」。ほれっぽいけど、恋愛には奥手の四十男だ。
 ぼくは父親を知らない。でも、さびしいと思ったことはない。とうちゃんがずっとぼくの父親代わりだったから。楽天的で子どもっぽくて、おまけに下ネタ好きのしょうもないとうちゃんだけど、ぼくはとうちゃんが大好きなのだ。もちろん、そんなことは口に出しては言えない、てれくさくて。
 そんなとうちゃんが恋をした相手は、ぼくの同級生、鈴木健龍の母親だった。健龍にも父親がいない。六年の春に転校してきた無口な健龍とは、ほとんど話もしたことがなかったぼくだけど、いつしかお互いを親友と認める仲になっていく。そして健龍の母親へのとうちゃんの恋心は、周囲の予想通りに、言い出す間もなく砕け散る。
 複雑な家庭環境ながらも、ぼくは毎日をおもしろおかしく過ごしていたのだ。「結婚してもいい? おなかに赤ちゃんがいるの。」と、お母さんが突然言い出すまでは……。

1 ちょっと変わったぼくの家
2 恋
3 ぼくと健龍
4 はじまりの観覧車
5 とうちゃんのサイレントナイト
6 小学六年のバレンタイン
7 お母さんの爆弾発言
8 ぼくたちの「はじまり」
9 僕、とうちゃん、そしてババちゃん


藤澤 ともち[フジサワ トモチ]
著・文・その他

佐藤 真紀子[サトウ マキコ]
著・文・その他

内容説明

ぼくの家は、ちょっと変わってる。なぜかっていうと―。小6の優也、そして優也をとりまく人びとの、笑顔と涙の物語。第18回ちゅうでん児童文学賞大賞受賞。

著者等紹介

藤澤ともち[フジサワトモチ]
横浜市生まれ。東京学芸大学教育学部美術科卒。1988年、「モーニング」(講談社)第18回ちばてつや賞一般部門に入選。以来、「ともち」というペンネームで漫画家として活動する。『とうちゃんとユーレイババちゃん』で、第18回ちゅうでん児童文学賞大賞を受賞(受賞時タイトルは「とうちゃんと僕、そしてユーレイババちゃん」)。小説作品としては、『とうちゃんとユーレイババちゃん』がデビュー作となる

佐藤真紀子[サトウマキコ]
東京都生まれ。挿画や装画を担当した作品に、「バッテリー」シリーズ(教育画劇、KADOKAWA)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ベーグルグル (感想、本登録のみ)

45
ちゅうでん児童文学作品。「とうちゃん」は父ではなく名前がとうやだから、とうちゃんで母の兄である。ゆうやくん、そして親友のの複雑な家庭の絆を描いた物語。ユーレイババちゃんも登場するが、一人一人のキャラクターの人柄もよく、温かい物語でした。2022/02/03

ねこ

8
読み進むほどに、ページを繰る手が速くなりました。映画「寅さん」に通じる心地よさ。なんといってもいいのは観覧車でのハプニング。とうちゃんいい! わたしなら惚れるよ。2017/03/09

4
優也が「とうちゃん」と呼ぶのは、本当のお父さんではなく、叔父の透也のこと。若いときから苦労して家族を支え、今も離婚した妹(優也の母親)と優也を守りながら一緒に暮らしている。大人についていくしかない子どもたちには選択肢は少ない。心の繋がりを一番にしていくならば、いろんな家族の形があって良いのだと教えてくれる。2022/02/16

とりじまカラス

3
父親じゃないけど『とうちゃん』と呼ばれるおじさんを中心に、家族の絆を描いた作品。 とにかく出てくる人物が報われず、悲しい目に会います。 それでも悲しさをジョークで笑い飛ばし、前を向く……そんなとうちゃん達のひたむきさに、心を揺さぶられました。 ラストはいい終わり方でしたが、描かれなかった三年間もしっかりとした形で読んでみたかったです。 そう、より深くこの話を読みたいと思わせるくらい、いい作品でした。2020/07/13

ぺんぎんちゃん

2
優しくあたたかい、だけどちょっぴりビターもきいている。読後、心があったかくなりました。2017/08/25

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