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大英帝国という経験

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  • サイズ B6判/ページ数 398p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062807166
  • NDC分類 209
  • Cコード C0322

出版社内容情報

解体と再編の歴史から、現代を読み解く
未曾有の世界帝国は、「アメリカ喪失」から始まった

連合王国にとって、アメリカを失うという経験こそが、19世紀、ヴィクトリア朝の帝国ネットワークを築く画期となった。奴隷貿易の支配者から博愛主義の旗手へ、保護貿易から自由貿易へ。植民地喪失と帝国再編に揺れ続けた国民のアイデンティティ。帝国となった島国の経験とは、どのようなものだったのか。

■イラク、アフガニスタン、アイルランド…現在の世界が抱える問題の根幹に触れる
 アイルランド、インド、オーストラリア、カナダ、南アフリカ、中東、香港……世界中いたる所にその足跡を残した大英帝国。この拡大は、紅茶や石鹼などの生活革命を世界的に広める一方で、時には深刻な問題の種を植民地に蒔く結果ともなり、その影響は現代にまで及んでいます。大英帝国を知ること、それは「今を知る」ことに他なりません。

■大陸の片隅にある島国の「帝国への伸張」は、「アメリカ独立」から始まった!
 これまでイギリス史のうえで「例外的なエピソード」として捉えられてきた「アメリカの独立」。井野瀬氏はこの出来事以前と以後のイギリスという帝国の性格の違いに着目し、むしろこの喪失の「経験」こそが、のちに未曾有の発展を遂げる大英帝国の基礎になった、と述べています。保護貿易から自由貿易へ、奴隷貿易の支配者から博愛主義の旗手へと変容を遂げた帝国の内実が、手に取るように理解できます。

■今なおイギリスを揺さぶる「奴隷貿易」の過去
 昨今、わが国では従軍慰安婦問題が取り沙汰されていますが、奴隷貿易廃止法制定200周年にあたる2007年、英国では「奴隷貿易の支配者」であった過去を踏まえ、「謝罪」のあり方について、国民の間で議論が沸騰しています。イギリスでは欧米諸国に先んじて奴隷制度が廃止されましたが、本書には、どのような人びとが尽力し、どのような経緯を経て、またどのような事情から廃止に至ったのかが、生き生きと描かれています。



第1章 アメリカ喪失
第2章 連合王国と帝国再編
第3章 移民たちの帝国
第4章 奴隷を解放する帝国
第5章 モノの帝国
第6章 女王陛下の大英帝国
第7章 帝国は楽し
第8章 女たちの大英帝国
第9章 準備された衰退
第10章 帝国の遺産


井野瀬 久美惠[イノセ クミエ]
著・文・その他

内容説明

連合王国にとって、アメリカを失うという経験こそが、19世紀、ヴィクトリア朝の帝国ネットワークを築く画期となった。奴隷貿易の支配者から博愛主義の旗手へ、保護貿易から自由貿易へ。植民地喪失と帝国再編に揺れ続けた国民のアイデンティティ。帝国となった島国の経験とは、どのようなものだったのか。

目次

第1章 アメリカ喪失
第2章 連合王国と帝国再編
第3章 移民たちの帝国
第4章 奴隷を解放する帝国
第5章 モノの帝国
第6章 女王陛下の大英帝国
第7章 帝国は楽し
第8章 女たちの大英帝国
第9章 準備された衰退
第10章 帝国の遺産

著者等紹介

井野瀬久美惠[イノセクミエ]
1958年、愛知県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。甲南大学文学部教授。専門はイギリス近現代史、大英帝国史。兵庫県長期ビジョン委員会、大阪府河川整備委員会、朝日放送番組審議会などの委員を歴任。著書に『植民地経験のゆくえ』(人文書院、第19回青木なを賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

7
大英帝国の変遷について社会・文化の面から迫った一冊。自分たちと同じ「プロテスタント」「イギリス人」という意識を持っていたアメリカ合衆国の独立を機に、新たに「自由主義」「反奴隷制」を核とする慈悲深い帝国として自らを再定義したというのは面白い。当然、その中には植民地に対する差別・無関心も含まれていたのだが、WWⅡ後の英連邦の解体とグローバル化の進展で、それとどう向き合うかが現在のイギリスに問われている。今を基準にして一つながりに思える国民性も、領土・政体の変化の中で変質していくということがよくわかる。2017/10/30

sekaisi

3
フランス革命を小ばかにするイギリス人2019/06/10

デューク

3
講談社の創業100周年記念出版として発行された、全21巻の人類の歴史。第16巻は世界史上に冠たる大帝国、大英帝国の歴史。 「大英帝国は、米国が独立した1783年を境に、第一次と第二次に分けられる」と筆者は語る。1783年の米国独立により、大英帝国は広大な植民地を失った。だがむしろ、大英帝国の全盛期はそこから始まった。それはなぜなのか、そして何が大英帝国の変化と発展をもたらしたのか。 「大英帝国という経験」は、現代の問題にも解決のヒントを与えてくれる。いちおし2018/05/10

R

1
 複数の国にまたがる支配を「帝国」というなら、イギリスはまさに「帝国」だった。人を派遣して、政治制度によってその地域を支配する方法から、経済的に支配する方法で世界を席巻したのが「アメリカ帝国」である。アメリカはイギリスのはねっ返りの長男坊であり、正統な後継者である。  紅茶や旅、女性、石鹸、博物館など様々な分野に目配せされていて、当時の英国気質を感じることができた。2018/01/30

ジョジョ

1
この本を読み終わったいま、イギリスという国に愛と尊敬と畏怖と嫌悪を同時に持つことができるようになったと思う。UK内の各カントリー間の、アメリカとの、各旧植民地国との友好関係あるいは今も残る禍根・怨恨がどうやって形成されたのかが語られる。大英帝国という大きな枠組みへの理解が進む一冊です。2014/02/22

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