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イスラーム帝国のジハード

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  • サイズ B6判/ページ数 382p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062807067
  • NDC分類 209
  • Cコード C0322

出版社内容情報

講談社創業100周年記念出版 刊行開始!

この「大征服」は、誰にも予想できなかった

文明の空白地帯、7世紀のアラビア半島で誕生したイスラーム。世界帝国を創出した共存と融和の原理とは。20世紀初めに、最後のイスラーム帝国が滅んだとき何が起こったのか。現代にいたる「力による布教」のイメージを問い直す。

■イスラームの誕生から、ビン・ラーディンまで、歴史と現代を1冊でとらえる!
現在も日々報道されるイスラーム世界の紛争や混迷――。これらは、イスラーム社会の歴史のなかで生じた根深い問題だといえるでしょう。しかし、従来こうしたイスラーム世界の諸問題は、20世紀初頭のオスマン帝国崩壊までを扱う前近代史か、逆に、20世紀の「現代中東政治」の文脈で解説されることが多く、私たち日本人にとっては全体像がみえにくいジャンルでした。本書の著者・小杉泰氏は、イスラームの誕生から、帝国の発展、衰退、そしてまさに今現在のイスラーム復興運動までを大きくひとつの流れとしてとらえる数少ない研究者です。

■イスラームがめざしたものは、国家でも帝国でもなく、「社会」だった
イスラームは何より宗教に基づく社会の建設をめざしました。イスラームの教えに立脚した社会生活を営むために必要な規律や仕組みが、ムハンマドを慕うごく少数の信徒の集まりから、共同体、国家へと発展していく過程で形成されていったのです。歴史上のイスラーム帝国は解体し栄光とともに消え去っても、イスラームがその強さを失わないのは、そのあたりに理由があるのでしょう。

■ジハードは「聖戦」か? 「右手に剣、左手にコーラン」は西欧の偏見だった
近年では、9.11同時多発テロ事件をきっかけとして、イスラームの「ジハード」に強い社会的関心が集まり、ジハードをテロと結びつける短絡的な議論さえ生まれています。小杉氏は「ジハードはしばしば聖戦と訳されるが、それはごく一面に過ぎない」「イスラーム世界と国際社会が有意義な対話と問題解決に臨むためには、ジハードを本来の意味で理解することが必要である」と述べています。



第1章 帝国の空白地帯
第2章 信徒の共同体
第3章 ジハード元年
第4章 社会原理としてのウンマ
第5章 帝都ダマスカスへ
第6章 イスラーム帝国の確立
第7章 ジハードと融和の帝国
第8章 帝国の終焉とパクス・イスラミカ
第9章 帝国なきあとのジハード
第10章 イスラーム復興と現代


小杉 泰[コスギ ヤスシ]
著・文・その他

内容説明

文明の空白地帯、七世紀のアラビア半島で誕生したイスラーム。世界帝国を創出した共存と融和の原理とは。二〇世紀初めに、最後のイスラーム帝国が滅んだとき何が起こったのか。現代にいたる「力による布教」のイメージを問い直す。

目次

第1章 帝国の空白地帯
第2章 信徒の共同体
第3章 ジハード元年
第4章 社会原理としてのウンマ
第5章 帝都ダマスカスへ
第6章 イスラーム帝国の確立
第7章 ジハードと融和の帝国
第8章 帝国の終焉とパクス・イスラミカ
第9章 帝国なきあとのジハード
第10章 イスラーム復興と現代

著者等紹介

小杉泰[コスギヤスシ]
1953年、北海道生まれ。エジプト国立アズハル大学イスラーム学部卒業。法学博士(京都大学)。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授。専門はイスラーム学、中東地域研究、イスラーム政治思想史。2005年度大同生命地域研究奨励賞を受賞。著書に『現代中東とイスラーム政治』(昭和堂、サントリー学芸賞)、『岩波イスラーム辞典』(共編著、岩波書店、毎日出版文化賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

デューク

3
講談社の創業100周年記念出版として発行された、全21巻の人類の歴史。第6巻は、イスラームの成立とその発展。 かつて地中海から中東の地域は多神教の土地であった。キリスト教の出現とともにこの地域に一神教が広まり、イスラームは一神教の教えを発展させていった。刹那的で部族主義的であったアラブ人たちは、ムハンマドの教えによりイスラームという新しい理念を受け入れていった。ある意味化学反応のように、ある教えが社会とその構成員をどのように変えていったかの記録。後半のパレスチナ問題の本質への考察も興味深い一冊。おすすめ2017/12/14

xin

3
ムハンマドと正統カリフの時代からウマイヤ朝〜アッバース朝期のイスラーム世界の形成を丁寧に、一般向けにわかりやすく書いた通史といった感じ。末尾の章はイラク戦争後のイスラム過激派の潮流などにも宛てられていて昨今の中東情勢の理解にも役立つか。良書。2015/02/15

コン

3
読みやすかったし、イスラームの歴史を物語的に叙述している(ムハンマドの言行そのものが宗教的物語性がある)ので楽しく読めた。2013/04/17

えぬ氏もわるよのぉ

2
6巻という中途半端なところから読んだのは、たまたま古本屋で見かけて買ったからで他意はない。日本人にとっては馴染みのないイスラムの歴史について、あらましを知ることができた。同時多発テロの起こった後に書かれたせいか、イスラムは本来過激な教義ではないということをやや強調している。2018/12/30

佐藤丈宗

2
イスラームの中でジハードという言葉がどのような意味を持ってきたのか。主にムハンマド時代からアッバース朝期、すなわちイスラーム帝国の興隆を中心に概説したイスラーム通史。非常に読みやすい。「奮闘、努力」を意味するジハードを、私たちはどのように理解すればよいのだろうか。ジハードを「聖戦」として過激派が自己の正当化の旗印とするのは何故か。著者がしめす「イスラームの欠如」に原因を求める分析は、本書を読むことで説得力ある仮説だということがわかる。この本が書かれて数年後に現れたISも、その分脈で読み取ることができよう。2016/09/20

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