講談社文庫
遠き落日〈下〉―渡辺淳一セレクション

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062776967
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

借金を重ねた。鼻つまみ者だった。だが、彼には熱情があった。狂おしいほどの反骨心が――。日本では将来が望めず、無鉄砲にも単身渡米した野口英世。そんな彼に実力重視の米国は肌に合い、やがて新進気鋭の学者として世界中の注目を浴びる。日本への凱旋、老母との涙の再会。まさに立志伝中の人となるも、提唱した理論が揺らぎ、黄熱病の研究で再証明を試みるが――。野口の栄光と最期を描いた傑作伝記。

第十一章 デンマーク
第十二章 ニューヨーク(1)
第十三章 ヨーロッパ
第十四章 帰国
第十五章 ニューヨーク(2)
第十六章 黄熱
第十七章 中南米
第十八章 ニューヨーク(3)
第十九章 アフリカ
終章  アグラに死す


渡辺 淳一[ワタナベ ジュンイチ]
著・文・その他

内容説明

日本では将来が望めない。無鉄砲に、単身渡米した野口英世。そんな彼に実力重視の米国は肌に合い、やがて新進気鋭の学者として世界中の注目を浴びる。日本への凱旋、老母との涙の再会。まさに立志伝中の人となるも、提唱した理論が揺らぎ、黄熱病の研究で再証明を試みるが―。野口の栄光と最期を描いた傑作伝記。

著者等紹介

渡辺淳一[ワタナベジュンイチ]
1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。整形外科医ののち、『光と影』で直木賞を受賞。’80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞を受賞。作品は、医学を題材としたものから、歴史、伝記的小説、男と女の本質に迫る恋愛小説と多彩で、医学的な人間認識をもとに華麗な現代ロマンを描く作家として、文壇の第一線で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ももすけ

42
本当に一気に突っ走った人生。単身、アメリカに乗り込み、現地で認められる、当時のみならず、今でもなかなか難しいことだと思う。自信満々だったり、弱気だったり、わがままだったり、お金にだらしなかったり、偉人ではあるがむしろ人間味のある人だったのだろう。箕面に銅像があるらしい。機会があればドライブがてら、見に行ってみよう。2022/07/02

to boy

37
読み終えて野口英世の人生に思いをはせる。貧しい生活の中から人を見返すために努力に努力を重ね世界に名を遺した偉人。でも、その評価には毀誉褒貶もあります。病理学的な評価は分らないけど、不眠の努力と弱き者への眼差し、当時の優越的な白人への反発など共感できるところが多々ありました。間違いが多かった業績よりも人間として改めて尊敬できるような気がしてきました。2018/12/08

しゃん

29
本書を読み、近代日本の科学において立志・苦学・出世をなしえた野口英世を突き動かしたものが何であったのか、少し分かったような気がする。華々しい名誉の裏側に、幸せとはいえない家族、幼いころの手のやけど、正規の大学を出ずに医学の世界に入ったことなどを英世は日々の研究のばねにしていたように思われた。さらには、会津人として、世界から近代日本を見返してやりたいという思いがあったのかもしれない。組織に頼らない彼の生き方は、ある意味、すがすがしい。自らの業績に疑問を持ちながら、世を去った英世の最期は痛々しく、切なかった。2020/05/07

金吾

25
○野口英世の長所も短所も書いており面白かったです。研究も後に間違いとされたとはいえ、ある時代において世紀の発見の扱いを受けたのはやはり飛び抜けた実力があったからだと思いました。読み終わった時少しジーンとしました。2020/04/08

旗本多忙

22
野口英世がここまで研究熱心で、寝るまも厭わず没頭してたなんて知らなかった。蛇毒から梅毒の研究、その他諸々、そして最後が黄熱病との戦い。誰よりも早く病原体を見つけワクチンを作ることへ医学者としての誇りを持っていた。中途半端とはいわないが、手を出すわりには確定的な答えが出ない。そんな英世の研究には厄年を過ぎてから少しづつ少しづつ陰がさしてくる。黄熱病研究で中南米を飛び回り、最後はアフリカで亡くなるのだが、その死が寂しくあっけないのはどうにも悔やまれるようだ。2021/06/13

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