出版社内容情報
沖縄問題はすべてここから始まった。今だからこそ、圧倒的リアリティーをもって読める日本政府と琉球王国の話。
処分官として派遣された松田道之が琉球に突きつけたのは、尚泰(しょうたい)王の上京、清国への朝貢禁止、明治年号の強制など独立どころか藩としての体裁をも奪うものであった。琉球内部でも立場により意見が分かれ……。「世界で軍隊をいちばんきらうという琉球」がどう対処するのか。小説で沖縄問題の根源に迫る不朽の名作。
<沖縄の人々の間に、かつて自らの国家であった琉球王国が存在し、それがヤマト(沖縄以外の日本)によって、力によって滅ぼされたという記憶がよみがえってくる。そうなると日本の国家統合が内側から崩れだす。この過程が始まっていることに気づいている東京の政治エリートがほとんどいないことが、現下日本の悲劇である。いまわれわれが直面している危機を認識するために、本書がひとりでも多くの人の手に取られることを望む。>――佐藤優 解説より
ヘラルド情報
風雲遵奉書
白と黒のあいだ
滅びと念仏
国を売ること
前夜のひとびと
徒労と真実
ふたつの船出
死なない覚悟
エピローグ
あとがき
大城 立裕[オオシロ タツヒロ]
著・文・その他
内容説明
処分官として派遣された松田道之が琉球に突きつけたのは、尚泰王の上京、清国への朝貢禁止、明治年号の強制など独立どころか藩としての体裁をも奪うものであった。琉球内部でも立場により意見が分かれ…。「世界で軍隊をいちばんきらうという琉球」がどう対処するのか。小説で沖縄問題の根源に迫る不朽の名作。
著者等紹介
大城立裕[オオシロタツヒロ]
1925年沖縄県中頭部中城村生まれ。沖縄県立二中を卒業後、上海の東亜同文書院大学予科に入学。敗戦で大学閉鎖のため、学部中退。’47年琉球列島米穀生産土地開拓庁に就職。’48年野嵩(現普天間)高校教師に転職し文学と演劇の指導にあたる。’49年「老翁記」で小説デビュー。’59年「小説琉球処分」連載開始。’67年「カクテル・パーティー」で芥川賞受賞。また沖縄史料編集所所長、沖縄県立博物館館長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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