講談社文庫
星と半月の海

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  • サイズ 文庫判/ページ数 301p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062766159
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

獣医のリョウコは、2匹のジンベエザメに「星」「半月」と名前をつけて、研究をしていた。懸命の処置も空しく半月は息を引き取るが、星は成長し海に放たれる。時は流れ、西オーストラリアで研究していたリョウコが海中で目した光景とは(表題作)。パンダやペンギンなどの動物をテーマに、6作品を収録した珠玉の短編集。

著者等紹介

川端裕人[カワバタヒロト]
1964年兵庫県生まれ。千葉県育ち。東京大学教養学部卒業後、日本テレビ放送網に入社。科学技術庁、気象庁の担当記者を経て’97年に退社、’98年のデビュー作『夏のロケット』がロングセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょん

19
読んでる本のコメントでも書きましたが、「みっともないけど本物のペンギン」に感動しました。絶滅してしまった動物のことを考えると、人間って何てことしてしまったんだろ、とか色々考えます。動物1種1種が訳があってその形であるのに、それを終わらせてしまうなんて、可哀想とかよりも恐ろしい、という気持ちが勝るなぁ。2018/04/23

AKI

13
動物園、水族館、博物館に勤める人達とその周囲の人々の思いを綴る動物小説集。抑えた筆致で進むので、やや盛り上がりに欠ける様に感じてしまいましたが、その中ではペンギンとパンダの話が好きです。それにしても、絶滅した動物達の絶滅原因の多くは、人間が食べ過ぎたという理由に、人類の恐ろしさを感じずにはいられませんでした。まさかペンギン類まで食べていたとは…2020/02/15

yamakujira

9
動物ネタの6編の短編集。「みっともないけど本物のペンギン」でオオウミスズメに知らされた人類の愚行に覚える怒りと悲しみと虚しさを、表題作の「星と半月の海」で神々しいジンベイザメに救われる。「ティラノサウルスの名前」では醜悪な大人と対比的な子供の好奇心に研究の根底を教えられ、幕間のような掌編「世界樹の上から」をはさんで、「パンダが街にやってくる」で動物園の功罪が提示される。最終話の「墓の中に生きている」は人類の未来を暗示しながら諦念ばかりが膨らむけれど、人類絶滅への道は必然なのかもしれない。 (★★★★☆)2018/09/11

むつぞー

9
動物園の飼育員、獣医、博物館の研究員…そんな視点から見た動物の物語は、普通に見る動物モノとはちょっと異なるものがあります。 動物を擬人化したものでもなく、かといって動物の生態とかを描くのではなく、人間と動物の関わりと「かわいい」というだけではない見方…とてもそれが面白く、興味深いものでありました。 お気に入りは「本物のペンギン」「ティラノサウルスの名前」「パンダが街にやってくる」。「本物のペンギン」の意味が判ると、それがなんとも哀しいですね。 「ティラノサウルスの名前」の親子の姿も好き。 2010/05/09

やどかり

8
本物のペンギンの話があまりに具体的なので事実なのかと思って、オオウミガラスについて調べてしまった。絶滅までの歴史に心が痛い。動物と関わる研究者たちの現実と夢を行き来するような短編集だった。2013/03/15

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