出版社内容情報
上橋 菜穂子[ウエハシ ナホコ]
著・文・その他
内容説明
カザルム学舎で獣ノ医術を学び始めたエリンは、傷ついた王獣の子リランに出会う。決して人に馴れない、また馴らしてはいけない聖なる獣・王獣と心を通わせあう術を見いだしてしまったエリンは、やがて王国の命運を左右する戦いに巻き込まれていく―。新たなる時代を刻む、日本ファンタジー界の金字塔。
著者等紹介
上橋菜穂子[ウエハシナホコ]
1962年東京都生まれ。川村学園女子大学教授。オーストラリアの先住民アボリジニを研究。野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞をダブル受賞した『精霊の守り人』を始めとする「守り人」シリーズ、『狐笛のかなた』(野間児童文芸賞)ほか著書、受賞多数。2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kishikan
334
ファンタジと呼ばれるジャンルは、苦手だと思っていた。この手は映像で見るものと決めつけていた。でも食わず嫌いだったということを知ってしまった。この物語は、本でありながら下手な映画以上に、自然や人間や動物の表情を大パノラマで映し出しているからである。漢字にルビがふってあるけれど、この物語は大人向けのファンタジーだ。子どもには、大人の裏の取引や政治のかけひきなど、分からないことも多くあるだろう。でも子供が読んでも自由とか自然の大事さはきっと伝わるだろう。文庫この2巻目で一区切り。少し休んで、残り2巻も読まねば!2015/04/30
absinthe
290
何を書いてもネタバレになりそうだが。無残に殺されそうな人々を無心で助けたことが、秘密にしておきたかったことを明かすきっかけになってしまう。どこか暗い結末が暗示されるが、そうかどうかはここに書かない。最後までテンションは上がっていく。続編は続くが、上橋さんはこの2巻で終わらせようと、一度筆を置いたらしい。(後書きに、そう書かれていた。)確かにここで結末でも悪くないが・・・読むのはやめられそうにない。2020/06/08
kaizen@名古屋de朝活読書会
258
「卒舎ノ試し」つまり卒業試験で、主席になるエリン。 ユーヤンとの別れ。 師のエセルとともに教える。 育てていたリランとエクに子供が。 祝ってかけつける真王ハルミヤが殺害される。 真相を知っているイアルが傷をおってエリンのもとへ。 話は回り回って大団円。 獣に傷つけられるエリン。 裏切りに合う次の王セイミヤ。 悲しみを超えて、次の世代にひきつぐ。 文庫版では、なぜこの完結した2作にさらに2作が加わったかが、アニメ化のための打ち合わせによるとのこと。 アニメによる原作者を入れた改変にも興味が。2013/05/03
よむヨム@book
256
★★★★☆ 星4つ 好奇心と探求心から「奏者」に目覚めていくエリン。 真王と大公との政治闘争にも巻き込まれてどうなるのとドキドキしながら心配。 特に、エリンとリランが少しずつコミュニケーションが取れていく場面がよかった。 また、大阪弁を喋る友人ユーヤンには心がなごむ。2022/03/09
射手座の天使あきちゃん
235
王獣の世話に一心不乱に打ち込むエリン しかし「王獣規範」に定められた通り人間と獣の心は基本的に違うものなのか!? ラストは感動的でしたねぇ2009/09/25