講談社文庫
東京ボイス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 401p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062764230
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

牛丼屋のカウンター、向こう側から注がれる、以前とは違う視線。スキャンダルが元でアイドルでなくなったカズヤは、そんなものには慣れっこになった。マイナスからあがるため、様々なことが麻痺していく。さあ、ボイス・スタジオへ行こう。ここには東京の空の下に居続けたいと喘ぐ人間が集まってくる―。

著者等紹介

ヒキタクニオ[ヒキタクニオ]
1961年、福岡市生まれ。2000年『凶気の桜』でデビュー。’06年、『遠くて浅い海』で第8回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

papako

78
たまたま見かけて。見かけてよかった、面白かった。売らずに引退したゲイのロック歌手吉本。彼のボイススクールにやってくる生徒たちの悲喜交交の連作短編集。みんな何かになりたくて何かが欲しくて、諦めたり必死になったり。そんなみんなの『欲望を叫んで喘いで、掠れてしまった喉から絞り出された声』そんな声たちの物語。吉本の過去の話まで含めてしっかり読ませてくれました。ちょっと官能描写が多いけど、最後はみんな少しずつ救いがあって、気持ちよく読み終われました。2020/06/17

yukalalami

10
面白かった。素人相手のボイストレーナー吉本のもとには様々なワケありの 生徒が集まる。自身もゲイでありかつてはCDデビューをしたこともある美男子。東京に憧れる若者とまみれてしまった大人。それぞれが思いを抱え 歌う場面がすごく良くて声が聞こえてきそうだった。心からの声だけが相手に届くが、プロとして成功する才能はまた別物。芸能界というきらびやかな世界の裏の一端を知れた気がした。2015/05/22

rakim

6
どうしても「そこ」に行き着けないほとんどの人間は、気付いていてもいなくても「居場所」は見つけていたい。ボイス・トレーニング教室に通ってくるアイドルデュオだったそれぞれ、風俗嬢、主婦、やくざ・・・等々。坩堝という形容があるけれど、その中の声にならない叫びを確信するような一冊。最終章でそれぞれの話の叫びが収束される気がしました。確かに切り取られたのは東京の一部分。2016/03/25

UME-SUN

6
ヒキタさん三作目。 アンダーグラウンドな世界を短編の登場人物それぞれの視点から書いたおもしろい作品でした(^^) 最後にまとめ的な話があるのも良い感じです(^^)2016/01/17

himanaka

2
全く想像もつかないような世界が、妙にリアルに感じられる。それがヒキタ氏の腕なのだろう。「欲望を叫んで喘いで、掠れてしまった喉から絞り出す声」が東京ボイス。そこまで行かなければ人の心を掴むことはできない。確かに時代を抉り出している。2016/01/11

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