内容説明
国際的に有名な地震学者が、「業務上横領」で告訴され、二〇〇六年二月一日「詐欺」容疑で逮捕。七月二一日保釈。本書は、この不可解な逮捕劇を描いた本ではない。一七一日間という長期の拘束期間、科学者は何を経験したのか。逮捕・勾留されると「どうなるか」を科学者の目で解析する。
目次
突然の家宅捜索劇
自家用車の中まで捜索
突然の逮捕劇
弁解録取書
札幌への護送劇
拘置所の「入所儀礼」
独房へ
独房は三畳
自殺をもっとも恐れる拘置所当局
船のキャビンよりマシ
独房の構造
最初の日
取調室
調書
勾留質問手続
取り調べ
拘置所の一日
拘置所の「マスト」と「ノット」
接見禁止
攻撃的になる検事
さらに挑発する検事
保釈申請・却下・準抗告
初公判はいつ?
拘置所パラダイス
食事もパラダイス
記憶に残った食事
官本
私本
拘置所で何をするにも必要なもの、願箋
私物を引き取ってもらうにも願箋
ノートには検閲がある
拘置所の不思議な掟
風呂
ラジオは毎日七~十二時間
ラジオ・外界への小さな窓
気にしてもしょうがないが
訃報が気になる
歳時も気になる
看守の権力、看守の人間
運動
初出廷の朝
初出廷
大法廷
接見禁止の延長通知
公判、その後
一〇〇日、そして一五日
延びた公判
保釈
保釈とは
保釈後の裁判
判決
執行猶予とは
告訴から裁判まで
控訴断念
著者等紹介
島村英紀[シマムラヒデキ]
1941年、東京都に生まれる。東京大学理学部を卒業。北海道大学地震火山研究観測センター長を経て、2004年~2005年国立極地研究所所長。日本を代表する地震学者で、マグニチュード8を超える巨大地震のすべては海底に起きることから、世界に先駆けて海底地震計を開発し、海底の地震活動の解明につとめた。その後、アイスランド、ノルウェー、英国、フランス、ポーランド、ポルトガル、アルゼンチン、ドイツなどの各国に依頼されて、開発した海底地震計を使い、大西洋、南極海、インド洋などでの海底地震観測に取り組む。著書に『地震をさぐる』(国土社・日本科学読物賞受賞)、『地球の腹と胸の内』(情報センター出版局・講談社科学出版賞受賞)、『地震と火山の島国』(岩波書店・産経児童出版文化賞受賞)ほかがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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