内容説明
水没するまでのタイムリミットは約5時間。それまでに洞窟に閉じこめられた調査隊を助け出さなければ―。「もう同じ過ちは繰り返さない」。強い決意を秘めたケイブダイバー東馬亮は、単身救助に向かう。大きな闇に包まれた洞窟には、5年前の事件の真相と、殺人犯が潜んでいた。第50回江戸川乱歩賞受賞作。
著者等紹介
神山裕右[カミヤマユウスケ]
1980年愛知県生まれ。名古屋経済大学法学部卒業。’04年、『カタコンベ』で第50回江戸川乱歩賞を24歳3ヵ月、史上最年少で受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
212
江戸川乱歩賞受賞作品です。地下洞窟を舞台に繰り広げられるミステリーですが、同時に冒険小説という自分には未開なジャンルにも興味を持たせてくれました。流れ自体は割とゆっくりめですが、決して遅く感じるコトはなく、むしろ丁寧に書いてくれていると感じます。しかし、ダラダラと進んでいくワケでもなく、物語の展開にしっかりと強弱のアクセントもついているので、飽きることなく読み進めていけます。ミステリーなので、当然犯人や真相究明も大事なのですが、この世界観を十分に堪能するのも、大切な楽しみ方なのではと思いました。2010/08/28
ナルピーチ
166
新たに発見された鍾乳洞の調査を行うために編制されたアタック班と、ある決意を秘めた一人のケイブダイバーの物語はとても読み応えのある一冊となった。漆黒の闇の中、ライトの灯りを頼りに進んでいく緊張感。そして悪天候により閉じ込められてしまってからのスリリングな展開は絶望感が漂よう。更には過去に起きた事件を引き金に、新たな事件がアタック班を待ち受ける。洞窟探検×ミステリを見事に融合させた内容はさすがの江戸川乱歩賞受賞作。カタコンベ(地下墓地)そこに入った全ての人間を深い闇へと引きずり込み、葬りさっていくのだろうか。2021/05/24
kaizen@名古屋de朝活読書会
155
洞窟、潜水、2つの事件の関係者が、調査隊に加わっている。初めのうちは、前振りが切れ切れにあり、誰が主人公か分からなかった。壮大な裏の裏、二人の殺意をもった人間と、一人の生き残ったことを背負った人間。洞窟を探索することが、命がけであることは分かる。物語の著者は未経験という。構想力と助言者の力に敬服。解説:村上貴史。江戸川乱歩賞。著者は愛知県出身。2013/11/24
やも
87
【第50回江戸川乱歩賞受賞作】地底湖…水中洞窟…ケイブダイバー…ハァハァ( ง//́Д/̀/)ง⁼³₌₃この単語だけでコーフンしてくるね😤冒険×ミステリー。たまらん。絶滅したはずのニホンオオカミらしき骨…人跡未踏の洞窟のはずなのに、救助に向かう途中で見つけた古いハンガー…鍾乳洞の調査を何があっても止めるなという脅迫電話…白骨死体…途絶えた日記に書かれていたその名前は…ハァハァ( ง//́Д/̀/)ง⁼³₌₃後半ちょっと駆け足に感じたけど、心拍数のあがるような緊迫感を思う存分味わえる1冊🫀✨2023/03/09
Take@磨穿鉄靴
85
神山氏初体験。面白かった。洞窟の閉塞感を感じながら話が進む。東馬の贖罪がメインテーマ。東馬好きだな。霧崎もナイスガイ。洞窟物だと篠田氏の「アクアリウム」があるけどあれとはまたカラーが違って良かった。なんだろう、このグダグダした感想。面白かったのに上手く表現出来ないや。自転車でコケたせいだ。きっとそうだ。★★★☆☆2019/08/30