講談社文庫 虚空の逆マトリクス

森 博嗣【著】

講談社（2006/07発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 383p／高さ 15cm
• 商品コード 9784062754613
• NDC分類 913.6
• Cコード C0193

出版社内容情報

犀川＆萌絵も登場！
多面性が光る短編集

西之園萌絵（にしのそのもえ）にとって、その夜は特別なものになるはずだった。けれどちょっとした心理の綾から、誘拐事件の謎解きをする展開となり……（「いつ入れ替わった？」）。上から読んでも下から読んでも同じ文章になる回文同好会のリリおばさんが、奇妙な殺人事件を解決（「ゲームの国」）など軽やかに飛翔する、短編7作を収録。

トロイの木馬
Trojan Horse Program
赤いドレスのメアリィ
Mary is Dressed in Red
不良探偵
Defective in Detective
話好きのタクシードライバ
That's Enough Talking of Taxi Driver
ゲームの国（リリおばさんの事件簿１）
The Country of Game
探偵の孤影
Sound of a Detective
いつ入れ替わった？
An Exchange of Tears for Smiles


森 博嗣［モリ ヒロシ］
著・文・その他

ゆうき まさみ［ユウキ マサミ］
解説

内容説明

西之園萌絵にとって、その夜は特別なものになるはずだった。けれどちょっとした心理の綾から、誘拐事件の謎解きをする展開となり…（「いつ入れ替わった？」）。上から読んでも下から読んでも同じ文章になる回文同好会のリリおばさんが、奇妙な殺人事件を解決（「ゲームの国」）など軽やかに飛翔する、短編７作を収録。

著者等紹介

森博嗣［モリヒロシ］
１９５７年愛知県生まれ。工学博士。某国立大学の工学部助教授の傍ら１９９６年、『すべてがＦになる』（講談社文庫）で第１回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[Tetchy]

「ゲームの国」は凄まじいほどの回文が横溢した短編。「いつ入れ替わった？」はS&Mシリーズファンへのボーナストラック。本編最終作で肩透かしを食らった感のある読者は本作を必ず読むべきだ。ベストは「赤いドレスのメアリィ」。全てを明かさないスタイルは本書も健在。読者はただ単純に読んでいると隠された謎や真意、真相が見えない。私もまだ気づいていない仕掛けがあるのかも。作者のこの不親切さはミステリを読む姿勢が正される思いがし、気が抜けない。読者もまた試されていると捉えれば森氏の短編集は問題集のようなものかもしれない。

2019/06/02

[KAZOO]

森さんの短編集としては4作目ですが今までの短編集の中では一番いいのではないかと思われました。7作の短編が収められていて非常に楽しめます。犀川先生の可憐もひとつおさめられていてかなり水準ではいいものだと感じました。森さんの作品をかなり読んできているのですが、引き出しが数多くあっていくつか在庫もたくさんあるのだろうとこのような作品を読むたびに思います。私も見習いたいです。

2016/04/11

[セウテス]

【短編集】第４弾。どれも方向性の違う、７つの作品。謎解きとしてよりは、やはり萌絵と犀川の近況が伝わるのが一番である。そうした意味で「いつ入れ替わった？」は、楽しみにして読んだのだが、身代金受け渡しのトリックは凄くいい。惜しい処でたどり着けなかったが、あれこれ推理していて納得のトリック。他では回文という、上から読んでも下かひら読んでもという文章の話。「わたしまけましたわ」位を予想していたので驚く事驚く事、森氏が考えたのだろうか、凄いとしか言えない。「探偵の孤影」の雰囲気はいい、想像はつくのだがオチも中々だ。

2022/07/19

[akira]

短篇集第4段。 前回以上に好き。意外な結末が多かったなぁ。 一番のお気に入りは「トロイの木馬」。 多少時代は感じるものの、現代に当てはめても通る。コンピュータのように時代の進化が早すぎるネタは風化しやすいが、そこも含めてよく考えられていると思った。 結末も納得。不思議な展開はさすがの森ワールド、ゾクゾクが止まらない。 S&Mも良い感じ。近藤さんのキャラがいい。 それにしても、ドリモグネタ…喜多先生もノリノリ 「そうそう、あれって、断面が円形である必要はないのに、不思議だよな」

2013/05/14

[フェリシティ]

森博嗣の短編集4冊目。個性的なお話ばかりでしたが、「ゲームの国」の回文が一際すごかった！あれ、全部森さんご自身で考えてらっしゃるとは…。今回はミステリィ云々じゃなくこの回文が1番の傑作だな、と思っていたところにS＆Mシリーズ。事件のトリックはなかなか本格的で良かったです、が！メインはそこじゃなーい！S＆Mシリーズファンへのご褒美＆朗報です♡！ついに萌絵と犀川先生の関係が発展します♡犀川先生が男を見せてくれました♡今までの道のりが長かっただけに、キュンキュン度もMAXでした♡ハートばっかりの感想です。

2014/07/11