講談社文庫
血と肉を分けた者

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  • サイズ 文庫判/ページ数 606p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062754071
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

抑圧された生活の果てに16歳の少女を殺した少年が、13年ぶりに仮釈放された。彼を逮捕した元警部のエルダーは、事件当時に失踪し、今も見つかっていない少女の捜査を再開。だが感受性の強い少年は新生活に馴染めず、また姿を消してしまった。あまりに厳しい社会の現実と脆すぎる家族の絆。CWA賞受賞作。

著者等紹介

ハーヴェイ,ジョン[ハーヴェイ,ジョン][Harvey,John]
チャーリー・レズニック警部シリーズ(全10作)で世界的に有名に。『ロンリー・ハート』は「20世紀のベストクライムノヴェル100」(タイムズ紙)と賞された。テレビの分野などでも多彩な活動を展開。’98年にはグレアム・グリーンの『情事の終わり』をラジオドラマ用に脚色し、ソニー・ラジオ賞を受けた。本作でCWA賞(英国推理作家協会賞)のシルバー・ダガー賞を受賞、改めてその実力が認められたことになる

日暮雅通[ヒグラシマサミチ]
1954年生まれ。青山学院大学卒。日本推理作家協会、日本シャーロック・ホームズ・クラブ、ベイカー・ストリート・イレギュラーズの会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

21
ミステリとしては何段階かに分けた真相があって、謎解きとしても骨組はしっかりしているが、小説の主眼はそこではない。元警部エルダーとその別居中の妻ジョアン、失踪中の少女の母ヘレン達親の世代と、仮釈放中の逃亡犯シェーン、エルダーの娘キャサリン、ヘレンの娘スーザン達子供世代の断絶感を鋭く描き、エルダー父娘の関係では未来への希望が、ヘレン母娘の関係では断ち切られた絆の辛さが見える。シェーンの荒涼とした心象風景が、彼が出会った少女の孤独と共に芯から心を冷えさせる。希望と絶望が同じくらいの強さを持つ作品。2009/11/28

2470913

6
父親から虐待を受けたシェーンドナルドは家出先で青年とともに強姦殺人を犯し懲役刑を受ける。仮出所後保護観察施設から逃亡、行方をくらます。当時の事件と同時期に少女が行方不明となり、ショーンたちに疑いの目が向けられる。ショーンの生い立ちや育った劣悪な生活環境に同情を禁じ得ない。先の青年と出会いはじめて、人間としての温かみを知って生きていこうとするが、犯した罪があまりにも酷く情状酌量の余地はない。性犯罪者は再犯率も高く社会問題の一つであり、犯罪者の更生は我々社会が課せれられた課題でもある。2019/11/26

エヌる@遅れてきたルーキー

3
ミステリとしては少年犯罪の再犯というのがテーマなんだろうけど、それ以上に主人公の娘、被害者、加害者の少年少女を描くという点に重きが置かれていた印象。自分は(一応)父親世代と子供世代の真ん中なので、もう少し昔に、もしくはもっと年をとってから読むとまた違うことを思うのかもしれない2015/12/23

himehikage

2
孤児の少女エンジェルちゃんにはホロリとさせられたよ。2008/09/22

Nadja

1
Flesh and Blood

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