出版社内容情報
内田 康夫[ウチダ ヤスオ]
著・文・その他
内容説明
伝説の首塚に背を向けた「将門の椅子」に座ると死が訪れる。巨大銀行で囁かれていた迷信は現実のものとなり、エリート銀行員が次々に不審な死を遂げる。そして、阿部奈緒美が所属する国際部からもついに犠牲者が。大学の同期である奈緒美から依頼を受けた浅見光彦は、平将門の崇りとされる事件の真相を追う。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
1934年東京都生まれ。CM製作会社の経営をへて、『死者の木霊』でデビュー。名探偵・浅見光彦、信濃のコロンボ・竹村岩男ら大人気キャラクターを生み、ベストセラー作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobby
106
再読。もう10年近く前に、平将門の祟りに惹かれたのはずっと覚えていた。プロローグで既に、3つの違う年代エピソードに50頁近く割く構成が面白い。巨大銀行で囁かれるのは、そのイスに座ると死が訪れる「将門の椅子」という迷信。そこに何やら垣間見える銀行の腐敗ぶりと並行して、読めば読むほど浮かび上がる将門リンク(笑)それにしても銀行破綻の時勢を受けてだとは思うが作家の銀行批判が半端でない…たくさん掘り出された要素が未だばら撒き状態での上巻終了。何となく覚えてる黒幕を気にしながら、タイトルの意味を追うべく早速下巻へ♪2019/07/19
sarie
6
シリーズ89作目。今回は将門伝説に絡めた事件。神隠しの伝承の地「不知八幡森」についてなど薀蓄は興味深く面白いです。2015/12/31
Yoichi Taguchi
1
かっては内田康夫作品を立て続けに読んでいた時期がある。氏の初読は『高千穂伝説殺人事件』だったと思う。文章は平易で読みやすく、それでいながら時事にまつわる風刺がきっちりと入っているのがいい。この作品でも、バブル崩壊後の銀行の不良債権処理に対する犯罪まがいのえげつなさを分かりやすく書いている。総評は下巻を読んでから。2014/12/31
suika
1
まずプロローグでは3つのエピソードが語られます。時代も出来事もバラバラの3つのエピソードがどう繋がっていくのか、興味をそそられます。ところで肝心の浅見光彦は、第三章からというかなり遅めの登場です。相変わらず浅見家における光彦の地位は低い(苦笑)本作ではなんとお手伝いの須美子が光彦坊ちゃまの為に一役買います。須美ちゃんのこういった働きはおそらく初めてではないでしょうか。ドラマでは観ることの出来ない須美ちゃんの意外な一面を見られたのは貴重ですね。 2012/10/18
Yuki
0
浅見光彦2010/01/01