内容説明
覚せい剤の使用で現職の警部が逮捕されるという不祥事に揺れた北海道警察。だが事件の深層を知る男たちが不可解な死を遂げ、本当の「悪」はまだ姿を現していない。拳銃摘発の切り札といわれた警部は、なぜ覚せい剤に溺れたのか。取材現場から警察組織の腐敗臭が漂いはじめた―。衝撃のノンフィクション。
目次
渡辺のテロル
暴走前夜
蜜月
裂け目
警部逮捕
方川の死
隠蔽
拳銃バブルに浮かれて
変死
事件捏造
初公判
処分
家族
激変
論告求刑
疑惑
判決
射殺されたマフィア
その後
著者等紹介
曽我部司[ソガベツカサ]
1958年札幌市生まれ。ノンフィクション作家。’93年にパプアニューギニアの食人習慣を取材。’94、’95年に旧ユーゴスラビアの民族紛争を取材。’95年よりプラハと札幌で活動し、’00年、『ホッケー69―チェコと政治とスポーツと』(TBSブリタニカ)で第9回開高健賞奨励賞を受賞する
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感想・レビュー
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Rey
17
正直ちょっと読みづらかった。ただし内容は非常に興味深い。正義とは何なのか? 我々が日常生活で無条件に受け入れ、絶対的な正義による秩序が執り行われていると思い込んでいる国や警察やその他の諸々が所詮はただの人間の集まりであり、利害や絶大な権力が発生する限りそんなことは幻想に過ぎないということなのか。というか、大きな権力を持たない一般企業などによくある不正などとは比べ物にならない大きな事件。道警のこの不祥事は稀に見る特別な事件だったなのか? 俺の地元の警察さん>>ねぇ、バレてないだけなんじゃないの~?(笑 2013/09/26
めぐみ
1
ふるえるぅーー!!!2018/12/25
Terry Knoll
1
現職警官覚せい剤事件を取材したノンフィクション。 警察庁長官狙撃事件をきっかけに拳銃摘発数を競うようになり「拳銃バブル」がおき、北海道警察本部も必死に検挙数をあげようとして、段々不法捜査に手を染めていった過程が分かります。 逮捕された警察官は、忠実に仕事をこなすうちに自分を見失い、警察組織の犠牲者だと思えてきた。 本人の告白本「恥さらし」を読まないと、時間の流れ等が掴めない部分があるのが残念です。2018/08/29
ヤギアキラ
1
道警のとんでもない不祥事2013/01/30
common
1
悪魔には悪魔がいないと思わせる知恵がある。 組織に保護を求めても、逆に忠誠を誓わせるだけだった。 印象に残った言葉です。2009/06/03