内容説明
人を殺すことが、こんなにも、おもしろいとは思ってもみなかった―。能解警部の部下・奈蔵渉は警察官でありながら、連続殺人鬼。自己の狂気を冷徹に見つめながら犯行を続ける奈蔵の、究極の目標は誰なのか?複雑巧緻なトリックをちりばめた驚愕のサイコミステリ。大人気の「神麻嗣子シリーズ」番外編。
著者等紹介
西沢保彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒。高知大学助手などを経て、執筆活動に入る。『聯殺』が第1回鮎川哲也賞最終候補作となる。本格ミステリを愛し、パズル的要素を盛り込んだ作風で多くのファンを魅了している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
76
【神麻嗣子の超能力事件簿シリーズ】番外編第1弾。まず本作はシリーズ読者にとって、いつものユルい雰囲気の本格ではない。しかしシリーズを構成する上で、必要かつ重要な物語であると思われる。よって、本作をシリーズ初読みとするのは間違いで、ある程度シリーズを理解してから読むべきと考える。能解警部の部下奈蔵は、実はサイコキラーであり冷酷な殺人鬼で、能解警部を壊す事を狙っている。彼の語りで物語は進むのだが、これこそが見事なミスリードであり、終盤にはきっちりと超能力を使った謎解きが在り、鮮やかかつ思わず納得の一冊である。2021/09/12
ダイ@2019.11.2~一時休止
44
神麻嗣子の超能力事件簿その4。完結編に向けての番外編。今までとちょっと雰囲気が違って怖い。2014/08/01
momi
40
チョーモンインシリーズ第4弾!番外編!!「人を殺すことが、こんなにも面白いとは思ってもみなかった…。」うわっ!!同じシリーズものの話だとはとても思えない!!コミカルミステリーだったのに番外編ではガラッと雰囲気が変わっています!!あの美人警部の部下にスポットライトをあてて書かれているのですが、彼は警察官なのに恐ろしい連続殺人鬼と言う設定!!テーマも「母子癒着」おぞましい〜!暗く異常な関係にゾゾっと鳥肌ものだけどドキドキ感が止まらずやめられない!ドロドロもドロドロ!!驚愕の番外編!!面白かったです!2015/06/16
おうつき
34
チョーモンインシリーズの番外編的な位置付けで、メインキャラクターの神麻嗣子や保科は登場しない。作品全体に漂う雰囲気もこれまでのシリーズとはまるで違いコメディチックな感じは一切ない。とはいえ、超能力が絡んだ犯罪を独自のロジックで推理していくというシリーズ最大の特徴はそのまま。結末にはかなり驚かされた。また、タック&タカチシリーズにも繋がる母子癒着の問題も作品の大きな要素だった。堅苦しいテーマも作品に上手く落とし込まれているので分かりやすく、納得しやすい。シリーズの今後に関わるであろう伏線も気になる。2019/10/25
Walhalla
29
『神麻嗣子の超能力事件簿』シリーズの4作目です。ですが、これまでのシリーズとは全く雰囲気が異なり、間違って読んでいるのではないかと心配になりました。あとで知りましたが、今作は番外編だったのですね。期待とはだいぶ違いました・・。シリーズのメインキャラもほとんで登場せず、ちょっと気持ち悪さだけが残ってしまった感じもしないでもないですが、このタイミングで、この話が出てくるということは、シリーズが進むうえでの重要なキーになっているのでしょうか。2023/07/21