出版社内容情報
新装版 司馬遼太郎の名作
関東制覇を目指して、先ず伊豆を切り取った早雲は、越えがたい箱根の坂を越えて、ついに小田原攻略に成功した。まさにその時、戦国の幕が切って落とされたのである。伝統的教養と近代的領国経営法で関東の覇者となり、治世の理想を実現させ、歴史を変えていった男、北条早雲の一生を描いた傑作長編小説完結。
伊豆の山
修善寺の湯
出帆
襲撃
三浦半島
出陣
秋の涯
高見原
三島明神
箱根別当
坂を越ゆ
早雲庵
あとがき
司馬 遼太郎[シバ リョウタロウ]
著・文・その他
内容説明
関東制覇を目指して、先ず伊豆を切り取った早雲は、越えがたい箱根の坂を越えて、ついに小田原攻略に成功した。まさにその時、戦国の幕が切って落とされたのである。伝統的教養と近代的領国経営法で関東の覇者となり、治世の理想を実現させ、歴史を変えていった男、北条早雲の一生を描いた傑作長編小説完結。
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
1923年大阪市生まれ。大阪外国語学校蒙古語科卒。産経新聞社勤務中から歴史小説の執筆を始め、’56年「ペルシャの幻術師」で講談倶楽部賞を受賞する。その後、直木賞、菊池寛賞、吉川英治文学賞、読売文学賞、大仏次郎賞などに輝く。’93年文化勲章を受章したが、’96年72歳で他界した
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
246
織田信長が世に出る遥か以前の、戦国時代 初期の 北条早雲への司馬視点は 新鮮で面白い。 今川氏親擁立後、伊豆 小田原 を制覇していく 早雲の 動きは迅速で、 読んでいて 心浮き立つ思いがする..知らなかった時代の風景を読者に 教えてくれる、歴史小説の楽しさを実感できる ..そんな本だった。 2017/01/28
ケイ
121
最初の戦国大名と言うのに随分と地味に思うのは、関東にうつってからは腰を据えた上での戦いだったからか。この頃は身内での争いが多く、早雲はそれに乗じた国盗りがうまかったのかもしれない。応仁の乱で、街と民がいかに疲弊したかを痛感していた早雲は、自分なりの戦い方、国の治め方に関する考えがあったのだろう。完全に外様であった土地でも、百姓たちの人心をうまくとらえたことで小田原にしっかり根付けた。司馬作品の中では、かなり地味な感じがする2016/03/10
むーちゃん
118
読了。三巻の最終巻。正直あまり乗りきれなく読んだ印象。時代背景なのか否か。北条早雲は齊藤道三のようなイメージでしたがまた違いましたね。 別の時期に読み返したらまた違う感動がでてくるのでしょうか?2021/04/23
レアル
78
この早雲という人物は何をするにしても機が熟すまでひたすらに時を待つ。そしてその「時」の為にひたすら準備をして備える。この時代の人たちの寿命と呼ばれる歳を遥かに越した早雲の晩年の働きが描かれている。己を旅人と称して自戒し、義を重んじ、民を第一に考える「孟子の教え」を貫く早雲の生き方に心打たれたし、司馬氏の作品の中では地味さも感じるが、それはこの作品はきっと時代的に国盗り的物語ではなく、早雲という人物自体を描いたからではないかと思われる。地味ではあったが、地味な作品だからこそ現れるそんな良さが光る作品だった。2016/09/09
優希
76
遂に時代は戦国へと突入していきます。関東制覇を目指し、小田原を政略したことで、戦国時代が始まったと言ってもいいでしょう。関東の覇者となり、治世の理想を叶えて時代を変えた早雲。60歳を超えてからの覇者として歩んだ早雲ですが、間違いなく戦国時代を幕開けさせる覇者だと思いました。2018/11/25