内容説明
吾の裡には鬼が棲みついている!新しい律令国家を建設するために必要なことは「革命」。それを邪魔する者は心を鬼にして殺さなければならない、と若き皇子は、蘇我入鹿の首に刀を突き刺した―。数々の禁忌を打ち破り、大化の改新の立役者となった中大兄皇子。その常人離れした野望を描いた歴史大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
61
日本史での登場人物の中で一番のファンが蘇我入鹿の私。という事で、今読んでいるこの時代が一番大好きな時代で、また大嫌いな時代でもある。理由は入鹿は殺られるから!そうこの中大兄皇子と鎌足に。この時代の本を読む時に一番気になる処は入鹿好きの私にとっては、入鹿がどのように描かれているかだ。この物語は中大兄皇子の一人称で描かれている為、登場はしても中大兄皇子から見た入鹿だ。描かれ方としては専横はしていてもそんなに悪くない。上巻はそんな入鹿が殺られるところまで。いやいや、これは入鹿ではなく中大兄皇子の物語!下巻へ。 2018/08/04
まみこ
18
黒岩重吾氏の本の読み口はどれも似ているが面白い。本書は中大兄皇子が自らの生涯を語るという形で話が進む。上巻で入鹿の暗殺は果たしたので、下巻は額田王や政治改革に関する内容でしょうか。楽しみです!しかし、この中大兄皇子は結構性格悪いですね、笑。嫉妬深く激昂しやすいし、荒々しくて残酷でハラハラします。主人公をここまで嫌らしく描くのはなかなか珍しいんじゃないかと思いますね。歴史的に悪役と言われる人物でも、主人公になる時は好青年に描かれるものですから。中大兄皇子の印象が変わったかもしれません。それでは下巻へ..2023/11/29
hoiminsakura
10
蘇我本宗家の専横、それを阻むべく鎌子の巡らす陰謀と中大兄皇子の成長と覚悟が、皇子自らの目線で語られる。乙巳の変を経て皇太子となり、譲位を受けた孝徳天皇のもと力を付けていく。額田王が大海人皇子の婚約者であることを知り嫉妬する場面で幕を閉じ次巻の波乱が想像される。2020/01/10
くっちゃ
10
葛城皇子は入鹿暗殺までは、基本的に歴史の傍観者。落日の王子は蘇我入鹿がアグレッシブに動いていて、百済の翹岐王子や高句麗の泉蓋蘇文など三国の情勢などを入鹿の心情に絡めて詳しく描写していた。対して、葛城皇子は裏で暗躍、ひたすら鎌子と絆を深めていく。話は比較的シンプルで分かりやいし葛城皇子の心理描写は面白いが、その分狭い視野での物語になっている印象。中大兄皇子は大化の改新後こそ活躍する人物。本番は後半から。下巻の展開に期待!2016/12/21
BIN
7
上巻は蘇我入鹿を倒し、皇太子になるまで。中大兄皇子の語りで述べられている点が黒岩作品として珍しい印象。聖徳太子の子の山背大兄王をあっさりと打倒しているが、蘇我入鹿をメインに書いた落日の王子ではもう少し詳しく書いているのかな?下巻は何を書いているのだろうか。額田王との関係かな。。。2023/07/21
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