講談社文庫<br> イサム・ノグチ〈下〉―宿明の越境者

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講談社文庫
イサム・ノグチ〈下〉―宿明の越境者

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  • サイズ 文庫判/ページ数 453p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062736916
  • NDC分類 712.53
  • Cコード C0195

出版社内容情報

ひたすらに美を求め狂おしく愛に生きる。名声はいや増し孤独の影は濃い。20世紀芸術の巨匠が最後まで問いつづけたものは何か?第22回 講談社ノンフィクション賞受賞作

愛に生き、美に殉じた波瀾の生涯!

自然とエロス、東洋と西洋の美の融合。巨匠はひたすらに美を追い求め、狂おしく愛に生きる。
名声はいや増し、孤独の影は濃い。己れの宿命に果敢に向きあい、20世紀を生き抜いた大芸術家が最後まで追い求め、問い続けたものはいったい何か……。
渾身の取材で魂の叫びに耳を傾け、精神の深淵に迫る評伝。

第四章 日本との蜜月
第五章 庭という小宇宙
第六章 さようなら、夢追い人
エピローグ
あとがき
取材協力者
参考文献
年譜


ドウス 昌代[ドウス マサヨ]
著・文・その他

内容説明

自然とエロス、東洋と西洋の美の融合。巨匠はひたすらに美を追い求め、狂おしく愛に生きる。名声はいや増し、孤独の影は濃い。己れの宿明に果敢に向きあい、二十世紀を生き抜いた大芸術家が最後まで追い求め、問い続けたものはいったい何か…。渾身の取材で魂の叫びに耳を傾け、精神の深淵に迫る評伝。第22回講談社ノンフィクション賞受賞作。

目次

第4章 日本との蜜月(灰燼の国;ヨシコさん;結婚;魯山人の「夢境」;夢幻の破局;東は東、西は西)
第5章 庭という小宇宙(ユネスコ庭園;大いなる始まり;二人の小さな巨人;石工との出会い;豊饒の季節;エロスのぬくもり)
第6章 さようなら、夢追い人(イサム・ノグチ庭園美術館;ヴェネツィア・ビエンナーレ;最後の仕事)

著者等紹介

ドウス昌代[ドウスマサヨ]
1938年北海道岩見沢市生まれ。早稲田大学文学部卒業。著書に『東京ローズ』(1977年講談社出版文化賞ノンフィクション部門受賞)、『マッカーサーの二つの帽子』、『私が帰る二つの国』、『ブリエアの解放者たち』(文芸春秋読者賞受賞)、『ハワイに翔けた女』、『日本の陰謀』(第23回大宅壮一ノンフィクション賞・第5回新潮学芸賞受賞)、『トップガンの死』などがある。『イサム・ノグチ―宿命の越境者』で第22回講談社ノンフィクション賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

39
なんと波瀾万丈でなんとユニークでなんと魅惑的な人物なのか?彼の芸術性を余すことなく伝えきっていると感じる取材と文力。彼の生涯を追うだけでなく、批評家のコメントを用いながら彼の帰属性や人間性をも分析している。広島原爆慰霊碑での政治的問題、数々の恋愛、魯山人との交友など驚かされた。彼の怒り、怨み、恋心などすべて芸術に昇華されていると感じた。今年度のベストテンに入ってくるほど夢中になって読んだ作。2018/11/20

おさむ

35
下巻は、李香蘭こと山口淑子との結婚・離婚や北王子魯山人との邂逅、日米2つの故郷への複雑な愛憎、そして数えきれない女性遍歴が描かれます。魅力的な人だったんでしょうね。慶應大学の新万来舎が彼のデザインとは知りませんでした。そして、広島の原爆慰霊碑が幻の傑作に終わったことも。「アメリカにいる時はアメリカ人であり、日本にいる時はその時だけ日本人というわけだ」。アイノコの宿命を背負った84年の生涯最後の大作となったのは、北海道札幌市のモアレ沼公園。かつて訪れましたが、イサム同様、スケールの大きい公園でした。2020/07/05

Willie the Wildcat

21
追い求めるもの。自己。その表現は、芸術であり、アイデンティティの模索。日米の様々な壁に、人の心の狭間。広島原爆慰霊碑の選定顛末とヴェネチア・ビエンナーレ代表が、氏の心情を如実に表す印象。哀しすぎる・・・。もがき、苦しむ中から見つけた”場所”。魯山人と淑子が齎した時間。(是非はともかく)父の芸術性と母の先見性。時代に揉まれ、育まれた才能。自ら築いた繋がりが財産。人との出会いの運命とありがたみを今更感じさせてくる。2014/05/25

booklight

14
久しぶりの重い長編ノンフィクションで、作者の洞察に恐れ入る。作者によって深さが変わることを再認。そういう意味では、これだけややこしいイサム・ノグチは、ドウス・昌代を見つけてラッキー、といえる作品。両親の出生から紐解く大ぶりの作品でありながら、最後に『巨匠と称されながらも、アメリカ美術界のメインストリームで確固たる地位を得てはいない』といってしまう作者の冷静さがすごい。空間と彫刻、芸術と工芸、と常に新しい分野を開拓してきたノグチの評価は、アメリカでさえ難しいのか。よし、モエレ沼公園に行こう。2018/09/24

スプリント

12
枯れることなく芸術に女性に情熱を注ぐ姿に驚嘆しました。 モエレ沼公園にいつか行ってみたいです。2016/04/30

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