講談社文庫<br> イサム・ノグチ〈上〉―宿命の越境者

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講談社文庫
イサム・ノグチ〈上〉―宿命の越境者

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  • サイズ 文庫判/ページ数 461p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062736909
  • NDC分類 712.53
  • Cコード C0195

出版社内容情報

母の国・アメリカ、父の国、日本。アイデンティティを引き裂かれ、歴史の波間に翻弄されながらも、愛に生きた84年を描きつくす!第22回 講談社ノンフィクション賞受賞作

日本とアメリカ、2つの「祖国」の間で

母の国、アメリカ、父の国、日本。2つの国のはざまでアイデンティティを引き裂かれ、歴史の激流に翻弄されながら、少年の苛酷な旅がはじまる。父との葛藤、華麗な恋愛遍歴、戦争……。
「ミケランジェロの再来」と謳われた巨匠の波瀾に富んだ生涯を描ききった傑作。

プロローグ
第一章 母の子
第二章 オール・アメリカン・ボーイ
第三章 かたつむりの歌


ドウス 昌代[ドウス マサヨ]
著・文・その他

内容説明

母の国、アメリカ、父の国、日本。二つの国のはざまでアイデンティティを引き裂かれ、歴史の激流に翻弄されながら、少年の苛酷な旅がはじまる。父との葛藤、華麗な恋愛遍歴、戦争…。「ミケランジェロの再来」と謳われた巨匠の波瀾に富んだ生涯を描ききった傑作。第22回講談社ノンフィクション賞受賞作。

目次

第1章 母の子(ヨネ・ノグチ;レオニー・ギルモア;異邦人の恋;宿命の子;父の国へ;まぼろしの故郷)
第2章 オール・アメリカン・ボーイ(インタラーケン校;父代わり;イサム・ノグチを名乗る;パリの青春;東洋への巡礼;母の死)
第3章 かたつむりの歌(メキシコの蝶=フリーダ;父の国と母の国の決裂;ポストン強制収容所;アクドゥガル・アレー;瞳にきらめく明星=ナヤンタラ;インドへの道)

著者等紹介

ドウス昌代[ドウスマサヨ]
1938年北海道岩見沢市生まれ。早稲田大学文学部卒業。著書に『東京ローズ』(1977年講談社出版文化賞ノンフィクション部門受賞)、『マッカーサーの二つの帽子』、『私が帰る二つの国』、『ブリエアの解放者たち』(文芸春秋読者賞受賞)、『ハワイに翔けた女』、『日本の陰謀』(第23回大宅壮一ノンフィクション賞・第5回新潮学芸賞受賞)、『トップガンの死』などがある。『イサム・ノグチ―宿命の越境者』で第22回講談社ノンフィクション賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

34
講談社ノンフィクション賞受賞。札幌で彼の名前を知り、マンザナー強制収容所の本に名前が見られ手に取った書。彼の伝記である。日米の混血児の芸術家としての生き様を知る。20世紀初頭という難しい時代のイサムの母の苦労がありながら、イサムの父、野口米次郎(詩人)節操のなさに本を投げ出しそうになった。しかしそれ程までに感情を揺さぶられる時代や身上、もしくは著者の丹念な取材と書き込み。芸術に疎い自分の胸を打つ。死に間際のインタビューに彼の創造の源は?との質問に怒りと返答。彼の父への怒りは生涯のモノであったのであろうか?2018/11/19

おさむ

27
筆者の取材力と筆力に感服します。世界的な彫刻家、イサム・ノグチの数奇ともいえる人生を詳細にトレースした力作。日本人の父、ヨネ・ノグチと米国人の母の間に私生児として生まれた苦悩。2歳から13歳まで過ごした日本、単独で米国に戻り、米国人家庭で成長した。前衛芸術家として頭角を表すも、太平洋戦争に突入して収容所暮らしも経験する。2つの国の狭間で苦しみながら、かつ多くの女性とも浮名を流した。人間にとって国境とは何なのか?を問いかけてきます。小泉八雲や津田梅子、野口英世、新渡戸稲造など著名人とのつながりも驚きでした。2020/06/30

スプリント

11
前半生というより、父、母の話がメインの上巻です。父親のエピソードは印象に残るものばかりでした。語学力が乏しい状態で詩人・創作活動に挑む苦労は並大抵のものではないでしょうね。2016/04/30

booklight

10
なんという人生なんだろう。日米ミックスの私生児として生まれ、日本にも馴染めずアメリカの高校に。一人で行ったとたん、高校を軍部が接収。知り合いのいない中、地元有志に頼って成績優秀で卒業。その際に選んだ道はアート。厳しくないわけがないのに、母の願いと自分の中にそうせざる得ないものを抱えていたからか。困難な状況が研ぎ澄ませるのか、生涯の制作の師となるブランクーシとのパリでの出会いの刹那に弟子入り。無給の助手となる。うーん、自分にはチャンスがない、不況で厳しい、なんていうのが恥ずかしくなるなぁ。2018/09/24

Willie the Wildcat

10
出会いと才能が築く芸術の道。様々な逆境から自己を見つめ、振り返り、そして形成。求め、裏切られながらも、常に前向きに生きる言動の原動力、師との出会いと反骨心か・・・。前者は、人生の師である母レオニーとラムリー博士。故に、後者が齎す母との心の乖離が哀しすぎる。アイデンティティとの葛藤に、甥と姪を重ねる。時代を重ねても変わらぬもの・・・。人生とは言え、背負うものを時に振り返るつらさが重い。2014/05/24

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