出版社内容情報
森 博嗣[モリ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
蓼科に建つ私設博物館「人形の館」に常設されたステージで衆人環視の中、「乙女文楽」演者が謎の死を遂げた。二年前に不可解な死に方をした悪魔崇拝者。その未亡人が語る「神の白い手」。美しい避暑地で起こった白昼夢のような事件に瀬在丸紅子と保呂草潤平ら阿漕荘の面々が対峙する。大人気Vシリーズ第2弾。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年愛知県生まれ。現在、某国立大学の工学部助教授。1996年、『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー。以後、犀川助教授・西之園萌会のS&Mシリーズや瀬在丸紅子たちのVシリーズほか多くの作品を発表し、人気を博している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
360
Vシリーズの第2弾。私も紫子ちゃん同様「密室や!密室や!」と喜んでいたのだが、まあ事件の発声タイミング的に予想はついたことだけど、ちょっとがっくり。メインの事件のトリックはまあ綺麗におさまって、ワイダニットはぼんやり。エピローグ、最後の1行で一気に読者は突き放される。「おいおいふざけるなよ」と怒るよりも、「そういう作品なのだ」とあるがままを認めたほうが楽。感傷的な部分が多くて、ちょっと七面倒くさい。続きを読むか、悩ましい。森博嗣の作品はあんまり肌に合わないのかもしれないなぁと考えたり。2016/03/27
Tetchy
357
森ミステリの定番なのか、本筋の殺人事件の真相よりもむしろサブストーリーの謎やガジェットの真相の方に実は大きなサプライズがあるが、本書も例外ではなかった。美術品専門の窃盗犯ルパさんの正体、彫刻家江尻駿火が作った千体のモナリザ像に込められた真意。これらの真相の方が痛烈に印象に残った。どこか浮世離れしたシングルマザー瀬在丸紅子、謎めいた探偵保呂草潤平、紅子の元夫で刑事の林とどこか善人とは云いきれない怪しい魅力に満ちた登場人物が主役であることでこのシリーズは何が起こるか解らないミステリアスな雰囲気に満ちている。2016/09/16
ehirano1
240
ミステリカルな内容はいつものように素晴らしいと思いました。印象的だったのは、著者の宗教に対する見解「何かを恐れていたい、何かを恐れていればそれよりも恐ろしい状態にはならない。何処か痛い所があれば他に痛い所を忘れることが出来る。あらゆる原始宗教の起源がそこにある。だから、恐ろしい恐ろしいと祈り願って、人々の恐れを人の形に閉じ込めた・・・」には感服しました。2022/09/11
勇波
203
『紅子さんと愉快な仲間達』第2弾です。やっぱ面白いなぁ〜。登場人物の思考がステキ過ぎる。前シリーズより軽い印象を抱く事もあるけど、作者からの問いかけには深いものがあると思うぞ。。まだまだシリーズが読める事に安堵感がある今日この頃。『愉快な仲間達』が今後どんな思考を魅せてくれるのか全く楽しみだ★2016/09/15
さばかん
160
人形が操られているのか。 人間が操っているのか。 人形が操っているのか。 人間が操られているのか。 人形に操られているのか。 人間に操られているのか。 操っているから人間なのか。 操られているから人形なのか。 誰が操るのか。 誰が操られるのか。 何のために生まれて、何をして生きるのか。2017/08/17