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講談社文庫
ウロボロスの偽書〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 448p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062734592
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

竹本が創作したはずの登場人物は現実世界に存在していた!竹本のファンを名乗る少女の正体は?綾辻たちの身辺に現れる黒ずくめの男は?もはや小説は作者の手を離れ、カオスの世界へと落ち込んでいく。さらに現実の竹本のまわりでも次々と事件が起き始めていた。そして妻が消え、また新たな殺人が…。

著者等紹介

竹本健治[タケモトケンジ]
1954年9月17日兵庫県相生市に生まれる。東洋大学文学部哲学科中退。在学中にデビュー作となる『匣の中の失楽』を「幻影城」に連載を始め、’78年幻影城より刊行されるや否や、アンチミステリの傑作とマニアの絶賛をうける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

空猫

17
一つ謎を解決すると新たに謎が発生する学術研究的展開を持ち込む意図もあるらしい。単純深化するタイプの研究ではなく,幾何学や物理学が宇宙や素粒子のように極端な大きさを扱うようになると,それまで当然と思われていた前提・仮定が特定の環境でしか通用しないと判明して再検討していかなければならなくなる,そんな感じ。ただ,ウロボロス=自分の尻尾をくわえて輪になっているのはむしろ循環論法のようなイメージだけれど。とにかく解決のないミステリと予告され案の定解決しないし続編まであるのに,ここまででも面白いと思えたのが不思議。2017/10/31

ヒロユキ

14
…ありゃりゃ…全然違うけど「ハイスクール奇面組」のラストシーンを思い出しました…(苦笑)2013/12/31

TUGUMI

7
下巻。登場人物の多さ、複雑怪奇に繋がる人間関係、錯綜する現実と小説世界、時々さしはさまれるユーモアなど、とても「密度」が濃い小説だった。読者への忠告状にあった通り、なるほど本格ミステリーからは大きく外れているが、「小説のあり方」「認識の問題」を問うラストは有無を言わさぬ出来であるし、凄まじいまでにスピーディーな話の展開に頭が追い付かなかった。過度なメタフィクショナルのせいで釈然としないところもあったが、結構楽しめたと思う。余談だが殺人鬼="作者"とすると、あれだけ官能的な殺人シーンを描く作者ヤバすぎでは。2018/07/07

シアン

7
(図書館本)読者への挑戦状ならぬ、読者への忠告状がある。忠告されずともたぶん皆薄々気付いているはず。普通の推理小説ではないことを。ある意味で新しく、ある意味で冒険的。好き嫌いは分かれるだろうが、現実と虚構の狭間でたゆたう感覚を味わいたい人にはいいかもしれない。2015/06/26

TKK

6
「いっさいのミステリ的カタルシスを求めてはならない」途中現れる忠告文がこの作品の全て。読み進むに従い謎が謎を呼び絡み合い、脳髄が麻痺してくる感覚。実在するミステリ作家たちがわちゃわちゃしてるのがけっこう楽しい。特に若かりし綾辻先生。再読ですがかなり忘れていて、これもシャム双生児がらみの作品だったと思い出したのが収穫。2016/07/02

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