内容説明
長身、美形の水乃サトルは旅行会社課長代理。だが、度を越した多趣味と奇行から社内では変人の烙印を押されている。部下の新人OLと共に出張した岡山の村で、横溝正史の名作を模した殺人事件に巻き込まれる「『本陣殺人事件』の殺人」他、ミステリー初心者からディープなファンまで楽しめる本格推理小説集。
著者等紹介
二階堂黎人[ニカイドウレイト]
1959年7月19日東京都に生まれる。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第1回鮎川哲也賞で『吸血の家』(講談社文庫所収)が佳作入選、1992年『地獄の奇術師』(講談社文庫)を書き下ろし単行本として上梓し、推理界の注目を大いに集める
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
86
迷探偵水乃サトル社会人編シリーズ第2弾、短編集。4作の短編だが「ビールの家の冒険」は、西澤保彦氏の「麦酒の家の冒険」の本歌取り作品だ。軽いタッチで物語中にも、幾つかの作品からパロった会話が笑いを誘う。「本陣殺人事件の殺人」は勿論、横溝正史先生の「本陣殺人事件」からの作品だが、パロディというよりは多角的推理を楽しむ作品だ。金田一耕助が語った事件の真相とトリック、この推理以外に別の考え方が出来る。つまりは、犯人も別の人物であり得るとくるのだから驚愕である。ミステリファンとしては、一読の価値在る作品だと思う。2019/09/13
ホームズ
11
面白いな~(笑)学生編のシオンとのコンビも好きですが由加里さんとのラブコメのような展開も好きです(笑)『ビールの家の冒険』が好きですね~(笑)『麦酒の家の冒険』よりもスッキリしていて好きかもしれません(笑)しかし『空より来る怪物』の密室の謎は(笑)ダイナミックだ(笑)2010/11/19
大泉宗一郎
9
金田一耕助のデビュー作『本陣殺人事件』の解決に新たな解釈を投じた作品をはじめとした四編を収録した水乃サトルシリーズ。二階堂黎人を読んだのは初めてだが、挨拶の一冊には相応しくなかった一冊。アイデア自体は面白いのにあらぬ方向へ走ってしまったり、アイデアが矮小すぎてバカミスに陥っていたりしていたが、『本陣』における横溝の些細なミスからストーリーを手繰り寄せた手腕はさすが新本格を代表する作家というべきか。2018/10/31
浅見ヨシヒロ
9
前回の軽井沢マジックの続編。 短編集のためライトな感じである分、若干読み応えに欠けるやもしれません。 ただし、一つ一つが色々な作品をパロディ化しているので、知っている人が読めばついついニヤニヤしてしまう内容です。2014/07/15
ヒロユキ
9
偶然にも最近『本陣殺人事件』を読んでいたので助かった(笑)表紙と本編で水乃さんのイメージが全然違いますね。表紙カッコつけすぎ(笑)2011/11/01